カルトムービーの傑作『ビデオドローム』の世界に、クローネンバーグ監督が帰ってきた! 米国に遅れること1年、遂に新作『イグジステンズ』が日本公開された。 『ザ・フライ』以降メジャー的作品に傾向してきた感のある同氏作品であったが、本作は一転して徹頭徹尾「クローネンバーグ色」に染まった1本。 撮影ピーター・サスチスキー、音楽ハワード・ショア、衣裳デニス・クローネンバーグと、おなじみの布陣で固められたこの作品は、クローネンバーグ・フィルムの集大成とも呼べるシーンの連続である。必見。 (文責:野良犬黒吉) |
a film by David Cronenberg Jude Law Jennifer Jason Leigh eXistenZ 解説 i n t r o d u c t i o n 現実か?ゲームか? 「誰も信じるな。現実を信じろ。」 『イグジステンズ』―――それは究極の体感ゲームだ。イグジステンズをプレイするとき、現実と幻想の垣根は崩れおちる。内臓が裏返り、脳髄の中身が外にあふれだす。それまで信じていたことがすべて崩れ落ち、嘘はすべて現実になる。イグジステンズはあなたの世界を書き換える。 鬼才デビッド・クローネンバーグが仕掛ける新しいワナ『イグジステンズ』。『裸のランチ』、『クラッシュ』と一作ごとに映画のタブーを打ち破り、新たな映像世界を切り開いてきたクローネンバーグ監督が十年ぶりにオリジナル脚本で挑む新作である。クローネンバーグはいつも観客を魅了しつづけてきた。『イグジステンズ』に登場する悪夢のようなヴァーチャル・リアリティの世界もショッキングかつ魅力的だ。それはクローネンバーグの世界そのものだ。近未来、人々の娯楽はヴァーチャル・リアリティ・ゲームである。誰もが脊髄に“バイオポート”と呼ばれる穴を開け、そこに“ゲームポッド”(ゲームコントローラー)を接続してプレイする。ゲームポッドは神経に直結し、プレイヤーをゲームの世界に誘いこむ。だが、それはゲームだけではなかった。業界最大手アンテナ・リサーチ社の見習い警備員テッド・パイクルは期待の“イグジステンズ”の発表会で思いがけぬ事件に巻き込まれる。アンテナ社の天才ゲーム・デザイナー、アレグラ・ゲラーが狙撃されたのだ!パイクルはゲラーと共に会場から逃げだす。「誰も信用するな・・・」パイクルとゲラーは陰謀と裏切りだらけの暗闇に迷いこんでゆく・・・。 ゲームは現実味を帯びるほど楽しくなる。 そして、危険になる。 主人公テッド・パイクルに扮するのはイギリス出身の若手俳優ジュード・ロウ。最新作『リプリー』ではマット・デイモンの相手役を演じるなど、2000年最も注目される一人である。テロリストに狙撃される天才ゲーム・デザイナーには『未来は今』、『ルームメイト』などで知られるベテラン女優ジェニファー・ジェイソン・リー。パイクルを禁断のゲーム世界に誘いこむ、セクシーで謎めいた美女を魅力たっぷりに演じている。さらに危険に満ちたゲームと現実の世界に住むキャラクターには個性豊かな俳優が集まった。『炎のランナー』、『未来世紀ブラジル』などで知られる名優イアン・ホルムはゲラーの友人であるアンテナ社の社員を演じる。『プラトーン』、『ワイルド・アット・ハート』、『イングリッシュ・ペイシェント』などでの名演で知られるウィレム・デフォーは怪しいガソリンスタンド店員ガス役で、カナダ人映画監督であり『エキゾチカ』などで俳優としても知られるドン・マッケラーは二重スパイのイェフゲニーを演じて強烈な印象を残す。さらに『日陰のふたり』のクリストファー・エクルストン、『スウィート・ヒアアフター』のサラ・ポーリーらもそれぞれ重要な役を演じている。 だが、この映画の最大のスターは『イグジステンズ』そのものである。両生類の有精卵を原料とした生体ポッド、動物の死体と軟骨で作ったグリッスル・ガンといった異様な小道具に目を奪われているうちに、観客はイグジステンズの世界に誘いこまれ、自分がなぜこのゲームをプレイしているのかと問いかけるだろう。イグジステンズは見る人ごとに姿を変える。『イグジステンズ』をプレイすることは、自分を知ることなのだ。 そして、存在はなくなり“イグジステンズ”が始まる。 背中から始めて、 脳でイク。 物語 s t o r y ストーリーはプレイヤー次第。 ルールのない究極の映像世界。 未来、人々の娯楽は脊髄に生体ケーブルを直結してプレイする究極のヴァーチャル・リアリティ・ゲームだった。ゲーム界における最大のスターこそ、美貌の天才ゲーム・デザイナー、アレグラ・ゲラー(ジェニファー・ジェイソン・リー)である。今、アンテナ社の新作発表会場は興奮に沸きかえっていた。待ちに待ったゲラーの新作ゲーム“イグジステンズ”が発表されるのだ。滅多に人前には出ないゲラーも珍しく会場にやってきた。 異変が起きたのは、モニター全員が両生類の有精卵でできた“ゲームポッド”に接続し、ゲームが始まったときだった。最前列にいた男が持参したゲームポッドの腹から小動物の骨でできた奇怪な銃を取りだし、プレイ中のゲラーに向けたのだ。「イグジステンズに死を!魔女アレグラ・ゲラーに死を!」男の弾はゲラーに命中し、ゲラーは重傷を負って倒れた。会場の責任者ウィトルド・レヴィも凶弾に倒れる。レヴィはたまたま近くに居合わせた警備員見習いのテッド・パイクル(ジュード・ロウ)をつかまえてゲラーを託す。「彼女を守れ。誰も信用するな・・・」パイクルとゲラーは混乱する会場から逃げ出した。 しかし、脊髄にゲームポッドをつなぐ穴を開けることを恐れているパイクルは、これまでVRゲームをプレイした経験がない。不満に思ったゲラーはパイクルを甘い言葉で説き伏せて自分とゲームをさせることにした。深夜、二人はガソリンスタンドに向かった。スタンド店員ガス(ウィレム・デフォー)が“バイオポート”を不正に装着してくれるのだ。だが、新品のバイオポートにつないだはずのゲームポッドはいきなり爆発する!“反イグジステンズ主義者”と名乗るテロリストたちは、ゲラーの首に賞金をかけていたのだ。ガスは賞金に目がくらみ、女神とも崇めていたゲラーを裏切ろうとしたのである。だが、パイクルは機転を効かし、ガスを倒した。 ダメージを受けたポッドを修復するため、ゲラーはポッド技術者キリ・ビヌカー(イアン・ホルム)の別荘へ向かう。パイクルのバイオポートも新しく取り替え、ようやくゲームをはじめる準備ができた。ゲラーとパイクルはイグジステンズの世界に入ってゆく。 イグジステンズ、それはプレイヤーの想像力で作られるゲーム世界である。脊髄に接続したポッドから直接脳に信号を送りこんで操作するので、現実感には何の揺らぎもない。プレイする相手ごと、いやプレイするたびごとにまったく新しいゲームが始まる。ゲームのゴールは自分で見つけ出さなくてはならない。自分がなぜプレイしているのかを知ることがイグジステンズの目的となる。現実から非現実へと移行するたびに、二人の前にあらわれる世界はさらに異様な、悪意に満ちたものに変わってゆく。陰謀と裏切り。無愛想なゲームショップ。ニジマス養殖場を転用したゲームポッド工場。突然変異した両生類を出す中華料理店。このゲームの目的は何なのか?ゲラーとパイクルは何をしなければならないのか?そして反イグジステンズ主義者とは何者なのか?誰が敵で、誰が味方なのか―――?何が現実で、何が非現実なのか―――?答えを知るためには、イグジステンズを最後までやり通さねばならないのだ・・・ 勝者は誰なのか? [プロダクション・ノート] クローネンバーグのワナ。 あなたはすでにダウンロードされている。 ●デイビッド・クローネンバーグ監督に『イグジステンズ』の脚本を書かせたのは作家サルマン・ラシュディとの出会いである。小説『悪魔の詩』がイスラムの教えを冒涜しているとして、イランの故ホメイニ師から死刑宣告を受けたラシュディは、その後20年にわたって英国での隠遁生活を強いられている。95年、雑誌で対談するためラシュディに会ったクローネンバーグは、芸術家がその芸術ゆえに死刑宣告を受ける、という状況に強い衝撃を受け、この物語の構想を練りはじめた。現在、穏健派ハタミ大統領による緩和政策の中で、ラシュディへの死刑宣告は事実上取り下げられているが、イスラム原理主義者からの脅迫行為はいっこうに止む気配がない。日本でも、91年7月、『悪魔の詩』日本語版の訳者である五十嵐一筑波大助教授が学内で何者かに殺される事件が起きている。犯人はいまだに捕まっていない。 ●映画の中心となるのはクローネンバーグ監督が創造したゲーム、“イグジステンズ”である。これは一種のRPGゲームだが、ゲームに勝つための目的は設定されていない。ゲームをはじめるごとに最終ゴールは変わる。“イグジステンズ”をプレイすることは自分自身を知ることなのだ。すなわち実存[イグジステンズ]を。このコンセプトを伝えるために、クローネンバーグはジェニファー・ジェイソン・リーやジュード・ロウに実存主義のなんたるかを理解するよう求めた。参考文献としてサルトルやキルケゴール、ニーチェなどを勧められた俳優陣は難解な哲学書に四苦八苦したという。 ●クローネンバーグ監督のトレードマークともなっているのがSFXを駆使したグロテスクな造形物である。『ビデオドローム』の手と一体化する銃や柔らかく息づくテレビ、『ザ・フライ』の蠅人間、『裸のランチ』のゴキブリ・タイプライターやマグワンプなど、いずれもクローネンバーグ映画とは切っても切れない存在だ。『イグジステンズ』でもまるで胎盤を体外に出したような形をしたゲームポッドを筆頭に、動物の死体で作られ、人間の歯を銃弾として飛ばすグリッスル・ガンなど、さまざまな柔らかい機械が登場する。中でも二つの首を持つ奇形両生類は独特だ。このために、クローネンバーグははじめて手作りのSFXではなくCGを利用している。視覚効果はトロントに本拠地を置くトイボックスが担当している。 ●“イグジステンズ”をプレイするうち、プレイヤーにとっての現実と非現実の境界はぼやけてくる。プレイヤーの妄想世界である“イグジステンズ”の世界が、ますます魅力的なものになってくるのだ。だが、そこには危険も潜んでいる。これはクローネンバーグにとってはおなじみのテーマである。人はどこまでを現実として捉えるのか、そして創造主がいつのまにか被造物のコントロールを失い、機器に陥ること。『ビデオドローム』や『クラッシュ』、『裸のランチ』や『Mバタフライ』では、クローネンバーグの主人公は現実を拒否するため新たなリアリティを創りだそうとする(だが、それはつねに甘美な破滅への道である)。このテーマを一貫して追いつづけたSF作家にフィリップ・K・ディックがいるが、『イグジステンズ』でクローネンバーグは敬愛する作家ディックにオマージュを捧げている。 [用語解説] ●イグジステンズ eXistenZ アンテナ・リサーチ社が5年の歳月をかけて開発した究極の体感ゲーム。バイオポートを通じてプレイヤーの中枢神経に直接アクセスするヴァーチャル・リアリティRPG。ゲームはプレイするたびに変化し、一度として同じことは起きない。自分がなぜゲームをやっているかに気づかないと、ゲームは終わらない。 ●メタフレッシュ・ゲームポッド MetaFlesh Gamepod アンテナ社がイグジステンズのために開発したゲーム端末。両生類の有精卵を培養したバイオテクノロジー製品。有機体生物なのでデリケートであり、ショックを受けると病気になりやすい。とりわけ感情の急変から起きるニューラル・サージ(神経波動)はポッドを破壊することもある。 ●バイオポート Bioport 脊髄の末端、お尻のすぐ上に開ける穴。アンビコードを介してここにゲームポッドを接続し、神経系に直接信号を送りこむ。バイオポートを装着するにはスタッド・ファインダーでまず位置を決めて、バイオポート挿入ガンで小型のポートを撃ちこむという手順をとる。脊髄に直接穴を開けるため、場所がわずかでもずれると下半身麻痺などの大事故を起こしかねない。モグリのバイオポート屋で装着するなどもってのほか。 ●アンビコード UmbyCord ゲームポッドと同じ有機体で作られたコードで、バイオポートに差しこんで人体とゲームポッドとをつなぐ。ゲームポッドは人体の代謝を動力源に動くが、アンビコードはそれをポッドに伝える、いわば「へそのお」である。 ●グリッスル・ガン Gristle Gun 小動物の軟骨から作られた銃で、アレグラ・ゲラーの暗殺に使われる。グリッスル・ガンの弾になるのは人間の歯であり、弾を装着した状態でも完全に有機物以外はまったく含まない。したがって金属探知器にも化学物質探知機にもかからず、厳重な警備をかいくぐってどこにでも持ちこむことができる。 eXistenZ. IT'S NEW, IT'S FROM ANTENNA RESEARCH, AND IT'S HERE RIGHT NOW. eXistenZ. WRITTEN LIKE THIS. ONE WORD. SMALL E. CAPITAL X. CAPITAL Z. ■デビッド・クローネンバーグ (監督・脚本) 1943年トロント生まれ 「ホラー映画のプリンス」と言われていたクローネンバーグは、 現代におけるもっとも革新的映画作家と認められるに至った。 99年にはカンヌ国際映画祭の審査委員長もつとめている。 75年の『デビッド・クローネンバーグのシーバース』で 監督デビューを果たした。 これは肛門から人体に侵入する異生物を扱ったホラー映画である。 その後超能力者の戦いを描く『スキャナーズ』、 幻覚世界に連れこまれる 悪夢のビデオテープが登場する『ビデオドローム』などで 特殊メイクを使ったホラー映画の新たなる旗手として評価を高めた。 91年には映画化不可能と言われた ウィリアム・バロウズのカルト小説『裸のランチ』を ピーター・ウェラー、ジュディ・デイヴィス主演で映画化する。 前作『クラッシュ』は英国人SF作家J・G・バラードの同名小説を原作に、 自動車事故でエクスタシーを得ようとする人々を描く。 カンヌ映画祭で上映されるやセンセーションを引き起こし、 CNN会長テッド・ターナーが「不道徳な映画だ」と 配給を拒否しようとする騒ぎになった。 この年のカナダ、ジニー賞では五部門を独占している。 [デビッド・クローネンバーグ フィルモグラフィー] 『デビッド・クローネンバーグのシーバース』(75) 『デビッド・クローネンバーグのラビッド』(76) 『デビッド・クローネンバーグのファイヤー・ボール』(78) 『ザ・ブルード/怒りのメタファー』(79) 『スキャナーズ』(81) 『ビデオドローム』(83) 『デビッド・クローネンバーグのデッドゾーン』(83) 『ザ・フライ』(86) 『戦慄の絆』(88) 『裸のランチ』(91) 『Mバタフライ』(93) 『クラッシュ』(96) [プロフィール] ■ジュード・ロウ(テッド・パイクル役) 1972年ロンドン生まれ アンテナ社の見習い社員テッド・パイクルはゲラーの狙撃現場にたまたま居合わせたおかげで思いがけぬ冒険に出る羽目に陥る。高校を中退してウェスト・エンドの舞台に立ってからは確かな演技力をそなえた二枚目俳優として引っ張りだこの存在になり、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーにも参加。映画デビューは93年、自動車窃盗グループを題材にした英国映画『ショッピング』で映画デビューを果たす。クリント・イーストウッド監督の『真夜中のサバナ』(97)で南部の売春夫役を好演して注目される。さらにSFスリラー『ガタカ』(97)ではユマ・サーマン、イーサン・ホークと共演した。99年の『リプリー』(『太陽がいっぱい』のリメイク)では、マット・デイモンが憧れる美男子を演じ、デイモンをも食う好演と評価が高い。今、売り出し中の21世紀のスーパースターである。 ■ジェニファー・ジェイソン・リー(アレグラ・ゲラー役) 1962年ロサンゼルス生まれ 天才ゲームデザイナー、アレグラ・ゲラーはファンから“ゲームポッドの女神”と崇められる美女である。俳優ヴィック・モローの娘としてハリウッドに生まれたリーは、すでにハリウッドのベテランである。映画デビューは80年の『他人の眼』で映画デビュー。『初体験/リッジモンド・ハイ』(82)、『ヒッチャー』(85)などで注目され、90年には『マイアミ・ブルース』と『ブルックリン最終出口』の演技でニューヨーク、ボストン両批評家協会から最優秀助演女優賞を受けた。また制作も手がけた『ジョージア』(96)ではカントリー歌手である姉にコンプレックスを抱きながらロック歌手として身を立てようとする同名主人公を力強く演じ、ニューヨーク批評家協会から主演女優賞を受けるなど大いに評価される。ロバート・アルトマン(『ショート・カッツ』、『カンザス・シティ』)、コーエン兄弟(『未来は今』)ら有名監督の作品が続く実力派だ。 ■ウィレム・デフォー(ガス役) 1955年ウィスコンシン生まれ 不気味なガソリンスタンド員ガスは金に目がくらみ、女神と崇めるゲラーを裏切ろうとする。『プラトーン』(86)の好演でオスカー候補にもなったウィレム・デフォーはハリウッドきっての性格俳優、マーティン・スコセッシ、デヴィッド・リンチ、ヴィム・ヴェンダースら名監督からもひっぱりだこである。他に『イングリッシュ・ペイシェント』(96)、『ルル・オン・ザ・ブリッジ』(98)など。 ■イアン・ホルム(キリ・ビヌカー役) ゲラーの古くからの友人であるビヌカーは、ゲラーが唯一心を許せる相手である。演じるイアン・ホルムはシェイクスピア・カンパニー出身の中でも指折りの名優である。主な映画出演作に『エイリアン』(79)、『炎のランナー』(81)、『未来世紀ブラジル』(85)、ケネス・ブラナー監督の『ヘンリー五世』(89)、カンヌ映画祭大賞受賞作『スウィート・ヒアアフター』(97)など多数。 ■ドン・マッケラー(イェフゲニー・ノリッシュ役) “イグジステンズ”に入りこんだパイクルを導くガイド役のノリッシュ。だが、彼は本当に虚構の存在なのか?ドン・マッケラーはクローネンバーグも出演している世界最後の日を描いたSF映画“Last Night”で監督、脚本、俳優の三役をこなした。日本ではおそらくブルース・マクドナルド監督の『ロードキル』(89)、『ハイウェイ61』(91)、アトム・エゴヤン監督の『エキゾチカ』(94)などの作品で、俳優として有名だろう。 ■クリストファー・エクルストン(ウィトルド・レヴィ役) 流れ弾をくらって倒れる不運なレヴィはイグジステンズの開発担当者である。『シャロウ・グレイブ』(95)で注目されたクリストファー・エクルストンは英国映画界期待の若手俳優。ケイト・ウィンスレットの相手役をつとめた『日陰のふたり』(96)、ケイト・ブランシェット共演の『エリザベス』(98)、アレックス・コックス監督の『デス&コンパス』(96)など出演作多数。 ■ハワード・ショア(音楽) 『ザ・ブルード/怒りのメタファー』以来、クローネンバーグの主要作ほとんどに音楽を提供している。ハワード・ショアのクローネンバーグ以外の作品には『アフター・アワーズ』(85)、『羊たちの沈黙』(91)、『フィラデルフィア』(93)、『エド・ウッド』(94)、『セブン』(95)、『ゲーム』(97)などがある。一癖も二癖もある監督から愛されるのが実力の証明であろう。 それでは皆さん、 中枢神経で会いましょう。 |