解 説■ |
主に英国で活躍した米国出身の特殊効果マン。ネッド・マンのもとで特殊効果を学び、アレキサンダー・コルダのロンドン・フィルムのSF大作『来るべき世界』(1936)にアシスタントとして参加する。その後『Dark Journey』『South Riding』等に参加した後、ロンドン・フィルム1940年の大作『バクダッドの盗賊』の特殊効果監督として腕を振い、バトラー最大の特殊効果イメージを作りだした。この作品で映画史上はじめてのテクニカラーによるブルーバッキング合成を試み、見事に成功させ、その年のアカデミー特殊効果賞を獲得した。 その後、アメリカのワーナー・ブラザーズ社で『カサブランカ』『サラトガ本線』などの特殊効果を担当し、パラマウント社であの『宇宙戦争』のウォーマシンが活躍する(?)珍作『火星着陸第1号』や『クイーン・メリー号襲撃』などに参加。晩年はコロンビア社に籍を置き『マッケンナの黄金』にその腕の確かなところを披露したのち、同年に作られた『宇宙からの脱出』(1969)では前年の『2001年宇宙の旅』でキューブリック達が生み出したモーション・コントロール(カメラ・アニメーション)を一歩進めた形での合成が使われ、その年のアカデミー特殊効果賞を受賞し、彼の人生最後の花を咲かせた。 (資料協力:skydog氏) |
作 品■ | 『来るべき世界』(1936) |
■ | 『Dark Journey』(1937 : Special Effects) |
■ | 『South Riding』(1938 : Special Effects) |
■ | 『バクダッドの盗賊』(1940 : Special Effects) |
■ | 『リディアと四人の恋人』(1941 : Special Effects) |
■ | 『美女ありき』(1941 : Special photographic Effects) |
■ | 『カサブランカ』(1942 : Special Effects) |
■ | 『生きるべきか死ぬべきか』(1942 : Special Effects) |
■ | 『Jungle Book』(1942 : Special Effects) |
■ | 『Destination Tokyo』(1943 : Special Effects) |
■ | 『The Adventures of Mark Twain』(1944 : Special Effects) |
■ | 『Crime by Night』(1944 : Special Effects) |
■ | 『Janie』(1944 : Special Effects) |
■ | 『千一夜物語 魔法のラムプ』(1945 : Special Effects) |
■ | 『The Horn Blows at Midnight』(1945 : Special Effects) |
■ | 『Tonight and Every Night』(1945 : Special Effects, Director of Photography) |
■ | 『To the Ends of the Earth』(1948 : Special Effects) |
■ | 『We Were Strangers』(1949 : Special Effects) |
■ | 『ケイン号の叛乱』(1954 : Special Effects) |
■ | 『火星着陸第1号』(1964 : Special Effects) |
■ | 『クイーン・メリー号襲撃』(1966) |
■ | 『招かれざる客』(1967 : Process Photographer) |
■ | 『マッケンナの黄金』(1969) |
■ | 『宇宙からの脱出』(1969 : Special Visual Effects) |