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「ブラックホール」
私たちは、まだ、ほんとうの宇宙の恐しさを知らされていなかった。
総製作費56億円。製作準備期間5年。人類未踏の暗黒宇宙の落とし穴、ブラックホールとは何か。地球や太陽系だけでなく、銀河系全体をも吸い込もうとするこの巨大な宇宙の墓場を、世界で初めて映像化に成功。大迫力で展開される<恐怖>と<衝撃>。そして、いま、ついにブラックホールの正体が明らかにされる。
NASAの小型探索船パロミノ号は、不気味な口を開けるブラックホールの引力圏で巨大な幽霊船に遭遇した。
それは20年前、謎の暗黒空間「ブラックホール」に呑み込まれて消息を絶ったはずの超大型宇宙船USSシグナス号だった。シグナス号はなぜか、ブラックホールの強力な引力に巻き込まれることもなく、20年もの間、この宇宙に漂っていたのだ。なぜ、どうして……シグナス号にいったい何が起こったのか?
USSシグナス号の中には正体不明のヒューマノイド(人造人間)たちの異様な姿があった。
黒衣をまとい、鉄面で顔を覆って、ただひたすらシグナス号を操作するヒューマノイドたち。しかし、パロミノ号の乗組員たちは、彼らが仲間の葬儀をしているのを目撃する。意志も感情もないはずのヒューマノイドたちの不可思議な行動。彼らを支配しているのは誰だ!迫り来るブラックホール突破の時を目前に恐るべき<事実>が浮かび上ってくる。
襲い来る大隕石群。NASA探索船の乗組員たちを乗せた宇宙船は、巨大な口を開くブラックホールへと突入する。
次から次へと宇宙船に襲いかかる隕石群。撃破されるセンター・ドーム。船内の酸素は一瞬にして宇宙空間へと飛び散り、シグナス号は、もはや航行不可能!ブラックホールの強大な重力がシグナス号をとらえたのだ。NASAの乗組員たちを乗せたまま、宇宙船は暗黒のブラックホールに吸い込まれて行く。
光さえも脱出できない超密度星、ブラックホールとは?
「燃えつきた星のなきがら」といわれている。しかし、その存在を予言した科学者にとってもブラックホールはまだ神秘の存在である。その周辺にくると時間はゆるやかになり、最終的には止まってしまう。物体が分離して絶滅してしまうという説もある。ブラックホールの中に入って、やっと脱出するとまた出発した地点に戻ってしまうという推測もある。太陽や惑星のすべて、そして光さえも吸い込んでしまう暗黒の宇宙空間、ブラックホールこそ全宇宙の運命を決するカギだ。
特撮の名匠ピーター・エレンショーがハリウッドの技術陣を総動員して創りあげた完璧な視覚芸術。
特撮チームにはなんと4人のオスカー受賞者が参加。「メリーポピンズ」のピーター・エレンショーとユースタス・ライセット、「ミクロの決死圏」のアート・クルックシャンク、「ベッド飾りとほうき」のダニー・リー。この豪華なメンバーが特撮に全力を投入。さらに、ピーター・エレンショーの息子で、あの「スター・ウォーズ」のマット絵監督ハリソン・エレンショウが150枚にも及ぶマット絵(合成の素材となる絵)を製作。壮大なスケールの構図を映し出すことに成功している。
10万ドルの脇役 新開発のコンピューター・カメラで驚異的な特殊効果を実現。
SF映画の主役は特撮である、という言葉にふさわしく、この映画では特殊効果をより高めるために、実に10万ドル(約2,200万円)を投じて全く新しいカメラ装置とマット・スキャン・カメラが開発されている。今までより1歩も2歩も進んだコンピューター利用で、ジョージ・ルーカスをも驚かせた空前の特撮画面をついに実現させることができたのだ。
≪キャスト≫ラインハート博士:マクシミリアン・シェル デュラント博士:アンソニー・パーキンス ホランド船長:ロバート・フォスター パイザー中尉:ジョセフ・ボトムズ マックレイ博士:イベット・ミミュー ハリー・ブース:アーネスト・ボーグナイン
≪スタッフ≫製作:ロン・ミラー 監督:ゲイリー・ネルソン 脚本:ジェブ・ローズブルック ゲリー・デイ 原案:ジェブ・ローズブルック ボブ・バーバッシュ リチャード・ランドー 音楽:ジョン・バリー 設定デザイン:ピーター・エレンショー
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