解 説■ |
マット画家で、ディズニー・プロの特撮を語る上で欠かせない人物のひとり。 1913年、イギリス・ロンドン生まれ。 映画界で初めてマット・ペインティングを生み出したパーシー・デイの下で働き、『来るべき世界』(1936)『奇蹟人間』(1937)等に参加。 第二次大戦中にイギリスで映画興行で稼いだ金のアメリカへの持ち出しを禁止されたディズニーが、イギリス映画人を集めてディズニー初の実写映画を作り始めた時のメンバー。 64年の『メリー・ポピンズ』でアカデミー特殊効果賞を受賞。他に『ベッドかざりとほうき』『地球の頂上の島』『ブラックホール』でもノミネートされた。 彼の最後の仕事となった『ブラックホール』は、まさに集大成と言える作品で、メインメカの宇宙船シグナス号のデザインをはじめ、製作2年前からプロダクション・デザインに取り組み、当時史上最高と言われた150枚に及ぶマット画撮影とミニチュア・エフェクトの指揮をとった。日本での公開時にポスター等宣材に使われたイラストも彼の作品。(アメリカでのポスターには、長岡秀星のイラストも加えられた) 『ブラックホール』はエレンショウが初めて大きな成功を収めた『海底二万哩』の宇宙版、とも言われている。 息子のハリソン・エレンショウも同じくマット画家で、『スター・ウオーズ』『ブラックホール』では親子で仕事をしている。 |
作 品■ | 『幽霊西へ行く』(1935 : Assistant Matte Artist) |
■ | 『天国への階段』(1946 : Assistant Matte Artist) |
■ | 『豪族の砦』(1953 : Matte Painting) |
■ | 『海底二万哩』(1954 : Matte Artist) |
■ | 『機関車大追跡』(1956 : Matte Artist) |
■ | 『Johnny Tremain』(1957 : Production Designer) |
■ | 『四つの願い』(1959 : Special Effects, Special Art Styling) |
■ | 『南海漂流/スイスファミリーロビンソン』(1960 : Matte Artist) |
■ | 『ポリアンナ』(1960 : Matte Artist) |
■ | 『うっかり博士の大発明/フラバァ』(1961 : Special Effects) |
■ | 『難破船』(1962 : Special Photographic Effects) |
■ | 『フラバァ・デラックス』(1963 : Special Effects) |
■ | 『夏の魔術』(1963 : Special Photographic Effects) |
■ | 『メリー・ポピンズ』(1964 : Special Effects) |
■ | 『The Happiest Millionaire』(1967 : Special Effects) |
■ | 『小びとの森の物語』(1967 : Matte Artist) |
■ | 『Monkeys, Go Home!』(1967 : Matte Effects) |
■ | 『黒ひげ大旋風』(1968 : Matte Artist) |
■ | 『ベッドかざりとほうき』(1971 : Art Director) |
■ | 『The Castaway Cowboy』(1974 : Matte Artist) |
■ | 『地球の頂上の島』(1974 : Special Effects, Production Designer) |
■ | 『背番号00大奮戦』(1976 : Matte Artist) |
■ | 『No Deposit, No Return』(1976 : Matte Artist) |
■ | 『新・ぼくはむく犬』(1976・日本劇場未公開 : Matte Artist) |
■ | 『スター・ウオーズ』(1977 : Matte Artist) |
■ | 『ブラックホール』(1979 : Production Designer, Miniature Effects) |