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「アルタード・ステーツ/未知への挑戦」


アルタード・ステーツ 未知への挑戦
鬼才ケン・ラッセル監督
エドワード・ジェサップ・・・ウィリアム・ハート
エミリー・ジェサップ・・・・ブレアー・ブラウン
アーサー・ローゼンバーグ・・・ポブ・パラパン

全米マスコミ界が大絶賛!ついに全く≪新しい映画≫が誕生した!
★この上ないゾッとするようなエンターテイメント! ニューズウィーク誌
★映像による幻想は「2001年宇宙の旅」の光のショーと同じように印象的だ バラエティ誌
★間違いなくこの映画は、今年の作品の中でも最も痛烈な一本となるものだ アフター・ダーク誌
★バイオレンス、スリル、優しさ、ありとあらゆるものが盛り込まれている タイム誌

 全米各マスコミはこの凄まじい傑作に過去の作品をひきあいに出している。その結論は「モルグ街の殺人」「2001年宇宙の旅」「エイリアン」「ある愛の詩」「未知との遭遇」「ジキルとハイド」、はてはギリシア神話「オルフェウス」までとびだして、結局すべての要素を含んでいながら、そのいづれにも属さない、全く新しい映画であるということになっている。

人間の中の宇宙(異次元空間)に、いまあなたは旅する!

 一体どんな映画なのか?鬼才ケン・ラッセル監督の最高傑作といわれるこの映画は、一人の精神心理学者が“すべての人類は地球上に出現した生命体の進化によって誕生し、存続したものである。ということはすなわち、現代の人問の身体を形成する何億、何兆という細胞も原始の生命体からの細胞の記憶を引きついでいるということである。この細胞の記憶をたどることによって、記憶は人類誕生、さらには生命誕生の根源にまで戻ることができるはずだ”という自分の仮説に基き、白ら人体実験をして生命誕生の根源まで人類の記憶の世界を逆のぼろうとする。その過程の中で男は胎児になり、類人猿になり、アミーバーのような細胞生物になり、宇宙の無の中へ消えようとまでするという物語である。しかも映像は彼の幻覚の世界を追い続け、強力な想念によって実際に胎児になり、類人猿になり、細胞生物に変貌してしまう姿をとらえるのである。この危険な実験の末に、男が掴もうとした真理は何か?映画は明快に教えてくれる。一見難解そうな映画ととられそうだが、そんなことはない。アメリカの若者たちがそうしたように素直な気持で楽しめばいいのだ。

映画の中のタンキングがアメリカでは若者の間で大流行!

 それでは一体、映画でやっているようなことが実際にできるのだろうか。これはもうアメリカでは一般家庭にまで浸透しようとしている。外部からの騒音・光・温度の遮断、さらに高濃度の特殊な液体に浸り、無重力に近い状態に身体を置くことによって、精神的に非常に安定した気分になれるというのである。それを“タンキング”といい、そのためのタンクが各社から市販されている。映画の撮影にあたって、監督のケン・ラッセル、主演のウィリアム・ハート、ブレアー・ブラウン、ボブ・バラバンといった連中が、実際にこのタンキングを経験しているのである。ブレアー・ブラウンは“とても素晴らしい、ハッピーな気分”を経験したらしいが、ウィリアム・ハートは、精神錯乱の状態でひきずり出され、ケン・ラッセルは何も語らなかったという。個人差はあるが、ほとんどすべての人か、タンキングの状態では幻覚を見るのはまちがいないらしい。

新しいSFの主流を占める肉体変貌のテクニックが凄い!

 「マーティ」「ホスピタル」「ネットワーク」で3度もアカデミー脚本賞を受賞している巨匠パディ・チャイエフスキーの原作を得て、当初アーサー・ペンが監督する予定だったが、撮影前にケン・ラッセル監督と交代した。主演のウィリアム・ハート、ブレアー・ブラウンの新人2人は、オーディションを通じてアーサー・ペン監督が選んだもので、2人とも見事な演技を披露して、マスコミの絶賛を浴びている。またこの映画で話題になっているものの一つに、ノーカットで見せる肉体変貌のシーンがある。宇宙特撮にアキたアメリカの観客が、次のSFとして注目しているのがこの肉体変貌の特撮である。カットし、編集してやっているなら不思議でも何でもないが、ワンシーンで見せる所にその凄さかある。
 この映画でスペシャル・メーキャッブを担当しているのが「エクソシスト」のディック・スミスであるとお聞きになれば、なるほどとうなづく人も多いと思う。

映画観を出る時、あなたは以前と違った状態になっている。 タイム誌


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