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「エイリアンネーター」


        ■スタッフ■
製作・・・・・・・・・・・・フローラ・フィルム
監督・・・・・・・・・・・・ビンセント・ドーン
原作・脚本・・・・・・・グレイド・アンダーソン
撮影・・・・・・・・・リチャード・グラセッティ
SFX・・・フランセスコ&ガエタノ・パオロッチ
編集・・・・・・・・・・・・J・B・マシューズ
SFXメークアップ・・・フランコ・デ・ジロラモ

        ■キャスト■
フラー・・・・・・・・クリストファー・アーレン
サラ・・・・・・・・・・・・・ヘブン・ティラー
コスタ・・・ゲレッタ・ジャンカルロ・フィールド
ケイン・・・・・・・・・・・トニー・ロンバルド
ボンド・・・・・・・・・マーク・スタインボーン
サマンサ・・・・・・・・・ドミニカ・カールソン

ALIENNATORS
エイリアンネーター
SHOCKING DARK

上映時間:1時間30分 5巻2,465m/サイズ:ヴィスタヴィジョン
1989年度作品/カラー/イタリア映画
A FLORA FILM PRODUCTION
Humax Pictures

        ■STAFF■
Produced by ・・・・・・・・・・ A FLORA FILM PRODUCTION
Directed by ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ VINCENT DAWN
Original Story & Screenplay by GLAYDE ANDERSON
Photography by ・・・・・・・・・・・・・ RICHARD GRASSETTI
SFX by ・・・・・・・・・ FRANCESCO & GAETANO PAOLOCCI
Editer ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ J.B.MATTHEWS
SFX Make Up ・・・・・・・・・・・・・・・ FRANCO DI GIROLAMO

        ■CAST■
Fuller ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ CRISTOFER AHRENS
Sara ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ HAVEN TYLER
Koster ・・・・・・・・・・・・・・・・ GERETTA GIANCARLO FIELD
Kain ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ TONY LOMBARDO
Bond ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ MARK STEINBORN
Samantha ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ DOMINICA COULSON

解説
 近未来のヴェニスは有毒ガスに覆われ、死の町と化していた。その廃墟の中で、環境調査をしている研究所からSOSが発信され、海兵隊の特捜班が赴く。女性科学者と研究所に出資している企業の謎の男が特捜班に同行した。彼らがそこでみるのは恐ろしい怪物たちだ。それは遺伝子操作で人間をもとに生み出されたものらしい。一人また一人と隊員が犠牲になっていく。科学者のサラは研究所唯一の生存者、少女サマンサとともに謎を探る。彼女の前に立ちふさがるのが謎の男フラー。男の正体は驚くべきものだった。そして男の所属する企業の邪悪な陰謀!サラとフラーの戦いは時空を超えてまで続くのだった。
 イタリアの娯楽映画は大ヒット作の焼きなおしで有名だ。ストーリーを読んだだけでは分からないが、この作品は「エイリアン2」と「ターミネーター」の焼きなおしである。おいおいこんなにパクって大丈夫かい?と見るものが心配してしまうほどにその焼きなおしは徹底しており、ここまでくるとそのパクリを楽しむところまできてしまう、という怪作。
 監督はビンセント・ドーン(本名ブルーノ・マッティ)。焼きなおし専門の監督で、これまでの作品をならべてみると妙に納得してしまうというディレクターである。日本では「ランボー/怒りの脱出」のコピー「マシンガン・ソルジャー/戦場の狼」(89)や「プレデター」のコピー「サイバーロボ」(88)が劇場公開済みだが、このほかにもビデオ公開で「ゾンビ」もどきの「死霊の魔窟」(81)、女囚ものの「謎のプリズナー"♀"女囚No.1369」(82)、動物パニックもの「恐怖の殺人ネズミ」(83)、ランボーもどき「ストライク・コマンドー」シリーズ(86,88)などを見ることができる。
 出演はクリストファー・アーレン、ヘブン・ティラー、ゲレッタ・ジャンカルロ・フィールドほか。SFXはフランセスコ&ガエタノ・パオロッチ、特殊メイクはフランコ・デ・ジロラモがそれぞれ担当している。

見どころ
●イタリア・アクション映画の隠れた巨匠(?)ヴィンセント・ドーンが「エイリアン2」と「ターミネーター」に挑戦。その焼きなおし映画哲学を十二分に見せてくれる怪作中の怪作。
●神出鬼没の怪物がスリリング。ただしそれほど強力ではなく、ショットガンで次々と殺されて行く。飛び散る体液の描写がグロテスク。
●意外なアンドロイド(オリジナル・プレスでは臆面もなくレプリカントと記している)の登場。
●もっと意外なタイムトラベル。ヒロインは自爆装置から逃れるため、タイムマシンの実験機で過去に旅するのだ。
●舞台は有毒ガスで人間が住めなくなったヴェニス。さりげなく環境破壊への警鐘が打ち鳴らされる。

物語
 近未来のイタリア・ヴェニス。そこは有毒ガスに覆われ、人間を含めた生物の住めない死の町となっていた。
 市民は政府の命令によって避難させられた。だが、一部の科学者が廃墟の中に研究所を設け、汚染の調査を行っていた。その研究所からSOSが発信された。海兵隊のパースン大佐はボンド大尉を隊長とする特捜班をヴェニスに送り込む。科学者のサラ・ドランブル博士とチュブラ社のフラーが同行する。大尉は民間人フラーの作戦参加を渋ったが、チュブラ社はヴェニスの海水浄化を目的とした海底トンネルに出資しているうえ、フラーに戦争経験があることで納得した。特捜班のメンバーは黒人女性兵士コスタや銃の名手ケインらの強者揃いだ。
 研究所の地下で彼らは何者かに狙撃された。捕らえてみると所長の助手ドレイクだった。発狂しているドレイクは「連中は君らが来るのを待ち受けている」と意味不明なことをわめく。そんな彼らを謎の怪物の群れが襲う。海兵隊員はそれを撃退しつつ研究所に入った。ボンド大尉は所内の捜査を命じ、彼らは一人の少女を発見する。サマンサと名乗る彼女は所長の娘で、研究所の唯一の生存者だった。
 研究所のデータを調べたフラーは、そこの研究者が人間の遺伝子を操作し、別の生物に変える実験に成功していたことを知る。その研究のベースとなった場所がわかり、移動しようという矢先に怪物の群れが再び襲いかかってきた。一人また一人と隊員が犠牲になっていく。タワーに逃げ込んだとき、サラ、サマンサ、ボンド、フラー、他1名の5人しか残っていなかった。
 一休みするサラとサマンサにフラーが襲いかかる。彼は実はアンドロイドだった。チュブラ社はヴェニスの浄水をするといいながら、さらに環境を悪化させ、多大な美術品を内包する市を独占しようとしていたのだ。が、怪物の誕生で計画は失敗、フラーを潜伏させて市を爆破することにしたのだった。自爆装置のスイッチが入れられた。ボンドらを倒したフラーはサラとサマンサを追う。サラが逆襲、フラーはタワーから落下した。海兵隊の増援部隊が到着していたが、怪物との戦いで、自爆装置を止めることができない。窮地に追い込まれたサラが発見したのがタイムマシンの実験機だった。爆発の寸前にサラとサマンサはタイム・トラベルした。二人が着いたのは死滅する以前のヴェニス。だが、フラーがもう1機のタイムマシンで追い駆けてきた。サラの機転でフラーは別の次元に飛ばされた。サラとサマンサは海を眺めながら、正しい未来を作ることを誓いあうのだった。


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