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「マトリックス リローデッド/レボリューションズ」
VOL.2
『マトリックス リローデッド』『マトリック レボリューションズ』の2作が
相次いで公開される2003年は、まさに“マトリックス・イヤー”。
ウォシャウスキー兄弟が集めた各ジャンルの天才たちが4年の歳月を費やし、
前人未踏のワールドへの世界をいざなう。
カウントダウンが、始まった。
未知数のマトリックス・ワールドの扉が開かれる、その日へ――。
新しい『マトリックス』のアイディア、技術、そして世界観。
それらすべては、この世で最先端のものだ。
今この時代だからこそ生まれようとしている映画。それが2003年の新しい『マトリックス』。
カレンダーの中で21世紀が来ても、世界はまだ、20世紀から続く闇の中にいる。
世界が新しい『マトリックス』に出会う日――――その日こそ、本当の21世紀が始まる。
新しいマトリックス・ワールドに踏み出す準備はいいか?
信じていた世界が崩れ落ち、そして新しい世界の誕生に立ち会う、そんな体験のために、
第1作で描かれたマトリックス・ワールドを、あらためて把握しておこう。
「マトリックス リローデッド/レボリューションズ」を見る前に知っておきたいキーワード:11
[人工知能vs人間]
21世紀の初頭、世界中の人工知能が結束し、人類に対して主導権を握ろうと反乱を起こした。当時のコンピュータは太陽エネルギーを動力源にしていたため、人類は太陽光線を遮断してコンピュータに対抗したが、人間の生体電気エネルギーからパワーを得られることに気づいたコンピュータは、この戦いに勝利。以降、世界は人工知能によって支配され、人類は、彼らに電力を供給する発電機となった。マトリックス3部作は、こうした状況が200年近く続いた世界が舞台になっている。
[サイバー人間]
コンピュータが電源にしている人間は、自然な繁殖によって生まれるのではない。「サイバー人間」と呼ばれる彼らは、胎児フィールドという発電施設内て培養されている。バイオメカニカル昆虫によって生み付けられたサイバー人間は、液化した死体を栄養源としながら、繭型のカプセル内で一生を過ごす。その役目は、コンピュータに電気を供給すること。そのため、ネオをはじめとするサイバー人間の後頭部には、コード接続用の穴があいている。
[マトリックス]
発電施設で培養されたサイバー人間たちは、ずっと眠り続けている彼らは、共通の夢を見させられており、その夢の世界こそ、コンピュータが作り上けた仮想現実空間、「マトリックス」だ。サイバー人間たちに現実を悟らせないために作り上げられた「マトリックス」は、きわめてリアルで、超高層ビルが立ち並ぶ大都市の景観をしている。
夢から醒めることのないサイバー人間たちは、「マトリックス」を現実と信じ続け、夢の中で一生を過ごすことになる。
[覚醒]
発電施設のカプセルて眠り続ける人生を送っていたのは、主人公のネオも同じだが、モーフィアスたちゲリラに見出された彼は、「赤いピルを飲むか、青いピルを飲むか」の選択を迫られた結果、真実を知る赤いピルを飲み、仮想現実空間(以下マトリックス)が“幻の現実”にすぎないことを悟る。こうして覚醒したネオはゲリラに加わり、現実とマトリックスの双方で、人工知能が送り込んでくる敵と戦いを繰り広げることになる。ちなみに、「赤いピルか青いピルか」の選択のエピソードは、「不思議の国のアリス」の引用。
[ザイオン]
地球上に唯一残された人間の街がザイオン。ここで暮らすのは、マトリックス1作目に登場したタンクとドーザーのような原種の人間で、彼らには、サイバー人間のような後頭部の穴がない。このザイオンの名前は、エルサレムにあるユダヤ教の聖なる丘、シオンに由来する。ここから転じて、英語のザイオンには「天国」や「理想郷」の意味がある。それが実際にどんな場所かは、リローデッドで明らかになる!
[ゲリラの目的]
人工知能の支配から人類を解放すること。それが、モーフィアス率いるゲリラの目的。彼らは、ネブカドネザル(新バビロニア王国の王の名に由来)という名のホバークラフトに乗り、人工知能の攻撃をかわしながら現実世界を放浪。さらに、しばしばマトリックスに侵入し、人類解放運動の導き手となる救世主を探していた。その結果、見出された救世主候補かネオだった。
[人工知能vsゲリラ]
コンピュータがゲリラを追跡する理由は、ふたつある。ひとつは、救世主探しを阻止し、人類の反乱を封じること。もうひとつは、ザイオンにアクセスするパスワードをゲリラから聞き出して、原種の人間を絶滅させること。この目的を遂げるべく、コンピュータは現実世界とマトリックスの両方に刺客を放ち、ゲリラを執拗に追い回す。
[エージェントとセンティネルス]
エージェントは、人工知能が仮想現実空間=マトリックスに放った黒スーツ姿の刺客。ソフトからソフトヘ渡り歩き、反乱を起こす人間がいないかどうかをチェックするのが、彼らの仕事。たとえるなら、ウィルスの侵入からコンピュータのシステムを守る監視ソフトの役目を果たしている。実体のない存在なので動きは超人的に素早く、変身も可能。電磁パルスによる攻撃が、唯一の弱点。
いっぽう、現実の世界でゲリラに攻撃を仕掛けてくるのは、センティネルスという名のイカ型ロボット。触手をヌメヌメと動かし、ネブカドネザルに打撃を与える。このセンティネルスのように、現実世界に登場するアイテムはグロテスク、エージェントのようにマトリックスに登場するアイテムはスタイリッシュに描き分けられているのが、本シリーズの特色。
[電話(もしくは意識の転送)]
ネオたちサイバー人間がマトリックスへ移動するときは、彼らの意識のみが、オペレーターの操作によってそこへアップロードされる。反対に、現実世界へ戻るときは、オペレーターが指定した回線から意識がダウンロードされることになる。この転送の入口として利用されるのが、マトリックスにある電話。ただし、同じ電話回線でもトーンやデジタルはエージェントに盗聴される危険が伴うため、転送時にはダイヤル方式のアナログ回線が使われる。
[パワー]
マトリックスにおける戦闘では、肉体的な強さは問題にならない。自分自身の肉体や武器をどれだけうまく操れるか?その精神の強さが、不可能を可能にするパワーとなる。ネオが弾丸を手のひらで止めたり、トリニティーがヘリの操縦マニュアルを一瞬にして理解するのは、意志の力によるもの。自分を信じ、自分の力を信じる心が、マトリックスでは最も重要になる。
[探知システム・エラー(SYSTEM FAILURE)]
1作目のラスト、ネオがマトリックス内の公衆電話から人工知能に対して宣戦布告する場面に登場する言葉。イエス・キリストと同様、死から蘇りを果たしてホンモノの救世主になったネオは、救世主探しを阻止せんとするコンピュータの企みを、ひとつ打ち破ったことになる。システムにエラー表示が出たのは、その証。だが、人類解放までの道のりはまだ長い。本当の戦いは、ここから始まる!
NEO ネオ
NEOは、NEW(新しい)を意味する接頭語。スペルを入れ替えたONEは、救世主を表す言葉で、1作目にはモーフィアスが「He is the one」と叫ぶシーンが登場する。
TRINITY トリニティ
キリスト教の「三位一体」を表す。ネオとモーフィアスとトリニティーの「三位一体」が、人類救済の鍵となる。
MORPHEUS モーフィアス
眠りと夢をつかさどるギリシャ神話の神の名。ネオは、モーフィアスの手で、コンピュータに見させられていた夢の世界からめざめる。
THE MATRIX RELODED
THE MATRIX REVOLUTIONS
『マトリックス リローデッド』『マトリック レボリューションズ』全貌データ
製作|ジョエル・シルバー 脚本/監督|ラリー&アンディ・ウォシャウスキー 提供|ビレッジ・ロードショー・ピクチャーズ、NPVエンターテイメント 撮影期間|2001年3月−2002年7月 撮影場所|カリフォルニア洲オークランド旧アラメーダ海軍基地、オーストラリア シドニー フォックス・スタジオ オリジナルキャスト|キアヌ・リーブス、ローレンス・フィッシュバーン、キャリー=アン・モス、ヒューゴ・ウィービング 新キャスト|ジャダ・ピンケット・スミス(「アリ」)、ハロルド・ペリノー(TVシリーズ「oz/オズ」)、ハリー・レニックス(「コラテラル・ダメージ」)、モニカ・ベルッチ(「マレーナ」)、ノーナ・ゲイ(「アリ」)、“空手界の双子のプリンス”ニール&エイドリアン・レイメント スタッフ|製作総指揮:グラント・ヒル 撮影:ビル・ポープ 美術:オーウィン・パタソン 編集:ザック・スティンバーグ(「マトリックス」でアカデミー賞受賞) 音楽:ドン・デイビス コレオグラファー:ユアン・ウー・ピン 視覚効果監修:ジョン・ゲイター(「マトリックス」でアカデミー賞受賞) 特殊効果:スティーブ・コートリー(「マトリックス」でアカデミー賞受賞) 録音:デイビット・リー(「マトリックス」でアカデミー賞受賞) 衣装:キム・バリット *製作総指揮のグラント・ヒル以外はオリジナル・メンバー再結集 公開|2003年世界公開 配給|ワーナー・ブラザース映画
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