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「ミクロの決死圏」
1971年リバイバル公開時配布版

THE SCREEN'S MOST fantastic voyage
BEGINS SOON!
■シネマスコープ/カラー作品
日本S・F作家クラブ特選

■スタッフ■
製  作・・・・・・・・・・・・・・ソール・デビッド
監  督・・・・・・・・リチャード・D・フライシャー
脚  色・・・・・・・・・・・・・ハリー・クライナー
濶  色・・・・・・・・・・・・・デビッド・ダンカン
原  作・・・・・・・オットー・クレメントとジェイ・
        ルイス・ビックスビーのストーリーより
音  楽・・・・・・・・・・・レナード・ローゼンマン
撮影監督・・・・・・・・・・・・・アーネスト・ラズロ

■キャスト■
グラント・・・・・・・・・・・・・スチーブン・ボイド
コーラ・ピーターソン・・・・・・ラクウェル・ウエルチ
カーター大将・・・・・・・・エドモンド・オブライエン
医師マイケルズ・・・・・・・・ドナルド・プリーゼンス
ドナルド・リード大佐・・・・・・アーサー・オコンネル
ビル・オウェン大尉・・・ウィリアム・レッドフィールド
医師デュバル・・・・・・・・・・・アーサー・ケネディ
ヤン・ベネシュ・・・・・・・・・・シャン・デル・バル

■かいせつ
 20世紀フォックスが、あらゆる科学技術と人材を用い、一、二六○万ドル(45億3千6百万円)という驚くべき製作費をかけたSF映画の最高決定版で、SF作家オットー・クレメントとジェイ・ルイス・ビックスビーが共同で書いたストーリーに基き「情無用の街」「カルメン」のハリー・クライナーが脚本を書き、「トラ・トラ・トラ!」「ゲバラ」のリチャード・D・フライシャーが演出した。製作は「脱走特急」「電撃フリントGO!GO作戦」のソール・デビッドが当った。
 作曲者はレナード・ローゼンマンで「おかしな、おかしな、おかしな世界」のアーネスト・ラズロが撮影した。
 主演者は「脱走」「天地創造」のスチーブン・ボイド、「百挺のライフル」「マイラ」のラクウェル・ウエルチ、「五月の七日間」のエドモンド・オブライエン、「ウィル・ペニー」「マッチレス/殺人戦列」のドナルド・プリーゼンス、「グレート・レース」のアーサー・オコンネル、「アラビアのロレンス」「バラバ」のアーサー・ケネディ、「誇りと冒涜」のウィリアム・レッドフィールド、フランス舞台俳優シャン・デル・バル、「スパルタ総攻撃」のバリー・コー、「電撃フリントGO!GO作戦」のシェルビー・グラントという異色豪華キャスト。

■ものがたり
 グラント(スチーブン・ボイド)を首班とするアメリカ特別情報部員の協力の下に、鉄のカーテンの向うから逃げて来たチェコの科学者ヤン・ベネシュ博士を極秘裡にアメリカへ招くと、それと知った敵国の諜報部がそれを妨害すべく暗躍を始める。ベネシュ博士が特別仕立ての飛行機でアメリカへ着くと間もなく敵側のスパイが博士を殺すために博士が乗った車に他の車を衝突させる。このとき頭をひどくうった博士は脳のクモ膜下腔出血を起こしたが、普通の手術では助からない。博士は物体を細菌大に縮小し、それを長時間持続させる方式を知っている。だが、アメリカの科学者は今のところそれを一時間しか持続できない。だから、この方式を知るために博士の命を救わなければならぬ。このためアメリカのCMDF(総合ミニュニュア統制軍)では、博士の命を救う道は、博士の脳出血箇所を脳の内部から手術によって除去する以外にないという結論に達し、医学史空前の試みを行うことになる。それは潜行艇に医師と科学者を乗せ、それをミクロ大に縮小し、それを博士の頚動脈に注射することによって、彼等を博士の脳内出血部に到達させ、レーザー光線で治療するというのであった。
 潜行艇プロテウス号に乗ることになったのはCMDF附の脳外科医デュバル(アーサー・ケネディ)その助手で美人のコーラ(ラクウェル・ウエルチ)循環器の専門医で、潜行艇の先導役マイケル博士(ドナルド・プリーゼンス)潜行艇を運転する海軍所属のオウェンス大佐(ウィリアム・レッドフィールド)と情報部員グラントの五名で、グラントは大戦中フロッグマンとして活躍した勇士で、また通信関係のエキスパートでもある。ところが早くもCMDFは、この五名の中の一人が秘密を敵側にもらし、この冒険を妨害しようと企む者がいると睨む。嫌疑はデュバル博士であった。
 CMDFの総司令官はカーター大将(エドモンド・オブライエン)で、医学部の部長はリード博士(アーサー・オコンネル)である。選ばれた五名が、縮小室に置かれた全長12メートルの潜行艇に乗りこむ。やがて縮小された潜行艇プロテウス号は、アンプルにおさまり、更に縮小されると、これが注射針となる。これを看護婦(シェルビー・グラント)がベネシュ博士の頚動脈にさしこみ、潜行艇を注射する。
 潜行艇が、今まで何者も見たことのない血管内を潜行して行くと、やがて思いもかけなかったことが起る。血管の内皮壁には微細な破れ目があるので、とかく艇が血管の壁に衝突するので進行がおくれ勝ちとなる。このため持ち時間をセーブするため心臓の中を通過することになったが、今度は心臓の鼓動に妨げられて進まなくなったので、外部と連絡し、ベネシュ博士の心臓の鼓動を60秒とめることによって心臓を通過し、肺動脈に入る。やがて潜行艇の左側のエア・タンクの空気がなくなったので、グラントを頭とする隊員たちが艇外に出て、ベネシュ博士の肺から新鮮な空気をとることに成功したが、この作業中、グラントと艇とをつなぐ命の綱が外れるという奇怪な事故が起る。これは明らかに敵側に内通する者の仕業に違いなかった。この間に残りの持時間は32分となる。その後、潜行艇は近道をするために、リンパ節内を通過することになったが、このとき隊員たちはバクテリアと抗体との激しい闘いを眼のあたりに目撃する。艇は、この闘争を避けるために内耳に入ると、艇の進行がリンパ組織の中に浮動する海草のような網状ファイバーに阻まれる。そこでグラントとコーラとマイケルが艇外に出て、必死となって艇にからみついた網状ファイバーを除去する。やがてコーラは聴覚ファイバー組織にからみつかれ身動きできなくなり、危険に陥る。それを見たグラントは身を挺して彼女を救い出す。この間に、デュバルは、こわれたレーザー銃をグラントのラジオのトランジスターとワイヤーを使用して修理する。レーザーが使えないとベネシュ博士の脳手術が不可能となるからであった。このため艇とCMDFの司令塔との連絡ができなくなる。やがて艇に入ると、持時間は余すところ6分となる。グラントはデュバルが修理したレーザー銃を持ってベネシュ博士の出血箇所に近づき治療しようとすると突如、何者かの妨害が入る。グラントが辛うじて脳の治療を終えたトタンに持時間が切れ、艇は抗体に破壊され絶対絶命となったが・・・・・・。


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