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「ブルークリスマス」
BLOOD TYPE : BLUE ブルークリスマス
岡本喜八監督■倉本 聰脚本/映画演劇陣総出演
●かいせつ
もし、全ての人間の眼の色が青かったとしたら、“人間の眼の色は青”と定義されるだろう。今、人間の血の色は“赤”と定義されている。もし青い血の流れている人が現れたら、その人は人間といえるのだろうか?この映画は青い血の人間が現われ、急速に増えていく中で展開される人間の愛と苦悩の物語です。
愛――人々は愛の絆で結ばれ、慈しみ、平和な世界を築く一方、愛が憎悪に、恐怖に敗れ、暗黒と苦悩が世界を支配することもある。――宇宙からの訪問者かもしれないUFO(未確認飛行物体)を目撃した人々の血が青くなり、その様な人間が増加したら――将来の脅威かも知れないものは芽の内に摘みとるべきなのか。そのために仕組まれた謀略とは何か、その中に巻きこまれた青い血を持った娘とその恋人の愛のつくえは?様々な人間をまき込んでドラマは進行する。
倉本聰が二年間をかけて書き下ろしたオリジナルシナリオをベテラン岡本喜八がメガホンをとり、撮影に「八甲田山」の木村大作、音楽を「日本沈没」の佐藤勝。主題歌は阿久悠の詞を“チャー”が歌います。出演は勝野洋、竹下景子の魅力の初顔合わせに加え、仲代達矢、八千草薫、島田正吾、小沢栄太郎、芦田伸介他映画、演劇界総出演です。
■血が青くなる!
◎シーン(15)放送局内パーラー
木所「血が出たンです」
南 「それがどうしたンだ」
木所「その血が――赤くなくて――青でした」
南 「血が、青?」………
◎シーン(18)報道局長室
五代(報道局長)「例の科学者会議の兵藤博士が失踪したよ、少し極秘に調べてみたいンだがね」………
■青い血の人間は我々に何をもたらすのか?
◎シーン(73)車の中
相場(国防庁次官)「青い血を持った人間の数だ。その凄まじい増加率をみろよ――80年には日本の人口の倍近くになる」
宇佐見(幕僚長)「しかし――」
相場「何」
宇佐見「青い血液をもった人間は、赤い血液の本来の人間に、何か害毒を及ぼすンですか」
相場「判ってないよ全く一切」
宇佐見「ということは」
相場「ということは将来いつか、それが人類に重大な意味を持ち得る危険性もあるということさ」
宇佐見「しかし」
相場「持たないかもしれない。だが持つかもしれない。とすれば責任ある立場のものは安全策をとらなくちゃならない」
宇佐見「つまり青い血の人間の根絶ですか」
■青い血の渦の中でめぐり逢った若い二人の愛のゆくえは?愛の絆の強さを訴え、限りない悲しみの中から真の愛の姿を語りかける。
◎シーン(212)走る車の中
冴子「クリスマスはきらい。淋しくなるから」
長い間。
沖(国防庁参謀部員)「今年のクリスマスには、おれが行っていゝか」
冴子「――」
冴子、一寸笑う。
手を伸しラジオのボタンを押す。
流れ出す「メサイア」
沖。――運転しつゝチラと冴子を見る。
沖 「行っていゝか?」
メサイア
冴子「そんなこと今から、約束しない方がいいわ」
沖 「後もう十日だぜ」
冴子
冴子「十日先は遠いわ」
沖 「――」
メサイア
冴子「十日先のことなンて判らないわ」
沖 「――」
冴子「もしかしたらあなた、誰れかにきかれて言ってるわ。――ニシダサエコ?――そんな女知らない」
沖
◎シーン(259)ホーム、待合室
ポツンと坐っている沖と冴子……静かに舞っている雪花
冴子「知っといて欲しいの」
沖 「――何」
間
冴子「私の体、普通の人とちがうの」
沖 「――」
冴子「血が青いの、真青な色なの」
…………………………
★運命の夜、クリスマスイブにいったい何が起るのか、青い血をめぐって引き起された陰謀とは?この映画で語られる愛と苦悩と恐怖はあなた自身のものかも知れない。
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