星乱拳客伝 外伝 鋼の記憶 2007年新春スペシャル

星乱拳客伝 外伝 鋼の記憶 2007年新春スペシャル



起 章

「よっ」
誰かが後ろから声をかけている。
誰だろう。。。ってかここ何処だっけ?
男が心配して様子を伺ってくる。
13時間の移動が思った以上にキツく、待ち合わせ場所で一息ついてると急に睡魔が襲ってきたって感じだ。
「おい、大丈夫か?」
「ダイジョウブか?」
心配そうな二つの声。
「おっ すまねぇ」
ヨダレでも垂らしてんじゃねえかチェックしてから振り返ると、男と小さな女がいた。
「よっ」「ヨッ」
ナオさんとサエである。
「忙しいとこ、呼び出しちまってすまなかったな」
「スマナカッタな」
ナオさんの左側にサエ、サエの右側にナオさん。
この前と同じ立ち位置である。
「いや、ちっとサボりたかったとこだったから、こっちが助かったくらいだよ」
ちと、きな臭い仕事に巻き込まれそうになってたのは事実だ。
「で、見せたいモノって何だい?」
今ここにいるのは一週間ほど前、ナオさんから連絡があったからである。
「コレだよ〜」
小さい女が一歩横へ移動すると、後ろからオレンジ色の物体が現れた。
ちょっと大きめのスーツケースといったところだろうか。
「見てみてやってくれるか?」
ナオさんが苦笑しながら言うと、小さい女は、
「みてくれよ〜」
とオレンジ色の物体をバンバン叩きながら言った。



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