星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶−

星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶− 第7巻



結の結章

振り返ったビルドアームの右手に握られていたのは、短いナイフであった。
(ちぃっ)
俺の舌打ちが事態を好転させる筈もない。
自分の背中から伸びるワイヤーに気付いたビルドアームは左手でワイヤーを手繰り寄せた。
「んの野郎っ」
俺は手にしたワイヤーをぐいっと引き、一気に加速した。
びちっ。。。
ビルドアームがワイヤーを切る前に俺が切っちまったらしい。
こいつは、強度不足だな。
ノンキに言ってる場合じゃない。
ビルドアームは急にテンションを失ったワイヤーが絡み付いてややこしいことになってた。
(いいねぇ)
無事到着した俺は、無様に突き出されたナイフをもぎ取り、反射的に首筋に突き立てた。
びちびちっ
っと何かを切断する手ごたえと共にビルドアームは動きを止める。
あ。。。いけねっ
俺は重要な事に気付き『歩ヒョウ』=『レン』を点滅(『歩ヒョウ』の通信方法である『光信』)させメッセージを送った。
(SOS・SOS・SOS・・・)
まったく、格好わりぃったらねぇな




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