星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶−

星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶− 第7巻



結の転章

ちっ間に合わねぇか。。。
唯一の救いはビルドアームの手に得物がないことだけだが、シャトルを覆う薄い膜を破く程度なら武器なんざいらない。
ギリリ
と奥歯を噛み締める。
あ・・・アレを試してみるか。
『ヒョウ術』における特殊機器である『特器術』に使おうと習得した技。
八雲流投擲術『飛燕』。
『ヒョウ術』っぽく言うなら『榊流特器術』ってことになるだろう。
準備はしてある。
ただし、試したことはない。。。いや、職人から受け取ったばっかりで試す時間がなかっただけだ。
他に選択肢は無い。
腰の隠しからワイヤーと繋がった菱型の鉄片を取り出し、そのまま前方へ放った。
手元のワイヤーがするすると出てゆく。
(いったか。。。)
ビルドアームの背中の推進器に命中した鉄片は左側のバーニャを停止させた。
(うしっ)
俺は、ワイヤーを引き付けビルドアームへと向かった。



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