星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶−

星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶− 第7巻



転の結章

3対1
こっちが1で向こうが3だ(俺を除いてではあるが)。
一応、こっちにも3体いるのはいる。
しかし、2体はシャトル上部を覆っている膜の中にいて手出しできない。
もちろん、この膜を取っ払えば問題ないが、中にいる生身の人間は吹き飛んじまう。
グランツはさっきまで、外の奴らと交渉していたのだろう。
そして、その交渉は決裂した。。。
他人の主義主張に関心はねぇが、俺と俺の仲間にふりかかるものに関しちゃ排除させてもらう。
俺は、相棒の『歩ヒョウ』をシャトル前方へと移動させると、一瞬コクピットの中の人間が驚愕の表情を浮かべるのが見えた。
人間の次は『歩ヒョウ』だ。
忘れられない一日になることだろう。
呆けたパイロットを残して、俺は頭上を確認した。
3体のビルドアームが油断なく、相手方のビルドアームへ刃を向けている。
両手で持つタイプの巨大なバターナイフ状の武器だった。
実際の使用に関しちゃデカすぎるように見えるが、威圧感は十分だ。
対するこちらのビルドアームは貧弱なナイフとトリモチ・ガンという標準タイプの装備だ。
可哀想だが、これじゃ勝ち目はないように見える。
(どうする。。。)
不意打ちを食らわせるにしては距離がありすぎる。
避けられれば、こっちは宇宙の塵になっちまう。
と、不意にバターナイフの2体が、こっち側のビルドアームへ急接近した。
(ちっ)
舌打ちをして俺は飛んだ。



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