星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶−

星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶− 第7巻



承の承章

その作戦は確かに効果的だった。
まずシャトルを巨大な膜(風船ガムみたいなもんだ)で覆い、
その中に空気を注入(気圧は低めに設定)、シャトルの天井を破壊し浮き上がってきた固定されていないモノ、
すなわちハイジャック犯を確保するって手だ。
空宙のそこここで「確保」の声がする。
騒然とする。。。ってえか天災にあったような状況だ、シャトルの天井が捲れ上がってんだぜ。。。機内(もう機内かどうかの判断は任せる)で、ハルがすげぇことになりましたねぇってノンキな事をいっている。
しばらくして、落ち着きをとりもどしつつあった頃、見覚えのある顔がこちらへやってきた。
グランツである。
「どうも、ご迷惑をおかけしましたね」
苦笑いは更に男を若く見せた。
「まぁそりゃお互い様だ」
俺たちは握手をしながら、情報を交換した。。。といってもグランツのほうは『云えない』ことばかりで、こっちもただ待ってたに過ぎない。
そんなときであった。
「このままじゃステーションに入れないから、お迎えですかね」
危険を察知する能力と危険であると判断する能力は別である。
ハルの視線の先には、ビルドアームであろう姿が数機、またたく星々の中に見えた。
グランツはポケットにねじこんであったインカムを取り出し、俺はシートベルトを外し宙へと泳ぎだした。



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