星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶−

星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶− 第7巻



起の結章

(SOS・SOS・SOS・・・・)
俺はグランツの置いていったフラッシュライトを星空へ向けていた。
隣でハルが油断なく周囲を監視している。
程なくして、リアクションがあった。
(問う・終了)
小さな光点が瞬く。
(グ・ラ・ン・ツ・危険・終了)
通じるかどうかは不明だが、交信の相手が変わった事と、グランツが危険であることをいっぺんに伝えるにはこの手だった。
(人・問う・終了)
俺は軽く舌打ちしつつ、さっきと同じ返信を繰り返す。
(操る・人・終了)
(問う・動く・終了)
ついでに何かやることはないかと付け加えた。
(否定・動く・終了)
とりあえず、待機ってことだろう。
しかし、どうする気だ。。。ハイジャック犯、要人護送計画、なにやら裏でややこしいことになってるのは分かるんだが・・・
目的地のステーションまで後2時間というところか、暗闇を凝視しながらじりじりと過ぎてゆく時間を感じていた。
(作成・開始・終了)
(否定・動く・否定・動く・終了)
光点が瞬く。
作戦が始まるから、絶対動くなってことだ(二重送信は強調・強制の意味)。
隣のハルのシートベルトを横目で確認する。
と、その瞬間だった。
べりべりっ
破壊音が襲い掛かってきた。



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