星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶−

星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶− 第3巻



転の起章

3日後、『レン』仕上がったと連絡があった。
こないだと同じように、午後の中途半端な時間にノエルへ出向いた。
カランコロンカラン
コロンカランコロン
店内で待っていたのはバブさんだった。
よう、と右手を挙げると満足そうな顔をしていた。
「いいところ調整取るのが難しくってよぉ」
いいところってのがどこなのか解からなかったが、ほーっと返事しといた。
「筋も何本か切れてたし、何箇所かヒビが入ったり割れてたとこもあったから、いくつか叩いて造ったりしたんだが、調子みてみてくれよ」
っとその前に、コーヒーをいただく。
お母さんのシフォンケーキもついてきて、いい感じのお茶タイムだ。
うしっと、バブさんが車を取りに店をでる。
なんだか忙(せわ)しないな。
お母さんが、小さく笑いながら、ごめんさないねって顔でこっちをみている。
俺はお母さんに、ご馳走様でしたをして店をでた。
いいことがありゃ悪いこともある。
今日の悪いことは、この後起こった。



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