星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶−

星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶− 第3巻



承の結章

「オメーよぉ。。。」
バブさんの『歩ヒョウ』トークは続いている。
もちろん手も止まらない。
「上泉さんとこへは筋結師を目指して入門したんだが、叩くほうも知っといた方がいいってんで、そっちを先にカジったんだよ」
「んで、さてこれから結ぶ方って時に、実家に呼び戻されちまってよぉ。。。」
しゃべってる合間にも、うし、とか、こら、とか言いながら作業は続いている。
「これこれ、この結びがな。。。この、ここのヤツ。。。これが、コイツの独特のってぇーか変ったとこで。。。」
もはや俺の存在はどうでもいい感じだ。
「この筋の遊びの取り方が、他の歩ヒョウとは違ってるだろ?んで。。。聞いてんのかコノヤロウ」
一応、気にしてくれてるらしいが、なんの事やらサッパリだ。
俺は、聞いてるよと返した後、また来るわ、と倉庫を後にした。
「2,3日で、なんとか仕上げるよ」
とバブさんの声。
お母さんの言ってた通り、楽しそうな声だった。



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