星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶−

星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶− 第3巻



承の起章

移動の車の中。
櫃(ヒツ)は後ろの荷台へ積んである。
バブさんは、自己紹介がてら小桜との関係を話し出した。
「もともとね、筋結師の修行をしてたんだよ俺ぁさ、上泉さんとこでね」
「けっこう期待されてたりしたんだぜ、これでも」
「ザクさんとも気があって離れたくなかったんだけどね、家の都合で呼び戻されちまってね。ま、まだ本格的に始める前だったんだけどね。。。」
そんなこんなで10分くらいたった頃だろうか、到着した場所は倉庫街の中だった。
広い。
『副業の』って事だからもっとこじんまりしてるもんだと思いこんでたが、小学校の体育館くらいはある。
人が通る用の小さい。。。と言っても十分デカイが。。。扉を開けてバブさんは中に入ると馴れた様子で暗闇のなかから照明のスイッチを探り当てる。
ぱちんぱちんぱちん
電源を入れると、チッチカチカと照明が灯る。
ビルドアームが2台。
車が1台。
その他よく分からない機械が数台。
巨大なクレーンから爪楊枝のようなドライバーまで、多種多様な工具が整然と並んでいる『副業の』倉庫は、どうみても『副業の』倉庫には見えなかった。
「さて、『歩ヒョウ』なんて久しぶりだなぁ」
っと言いつつ『レン』を立たせるバブさん。
からからからから
「ほーいいねぇ」
三つの目でバブさんを睨む『レン』をみてバブさんは、
「いいねぇ」
ともう一度同じ言葉を口にして笑みを深めた。



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