星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶−

星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶− 第3巻



起の結章

そのコーヒーは美味かった。
香りと苦味と酸味のバランスは絶妙。
続いて出てきた『喫茶店のナポリタン』も美味い。
「で、どした?」
バブさんが覗き込むように問いかけてくる。
美味いねこれ!っと言いかけて慌てて、
「小桜さんからここを訪ねるように言われたんだが」
っと話を戻した。
「上泉さんとの立会いで、相当痛んだようで調子を見てもらおうと思って」
バブさんが口にパスタを入れたままなんか言った。
「はふぇ?」
慌てて口の中のものを飲み込むと、
「なに?上泉さんと立ち会った?」
「ザクさんから、道場破りって聞いちゃいたけど。。。」
「オメーよ、頭オカシイんじゃねーのか?」
どうやら上泉さんってのは相当のビッグネームらしい。
ま、そういう世界には初心者の俺でも知ってるくらいだからな。
「よくバラバラにされなかったもんだな」
と、バブさんは急いでパスタを口に詰め込むと、
「早速みてみよう、車持ってくるから、ゆっくり食べててくれ」
っとゆっくりできそうにない勢いで席を立った。
実際ゆっくりできなかったのは言うまでもない。



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