星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶−

星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶− 第2巻



続の承章 裏(小桜)

「さて、どうするよ?」
イトーがやられちまったってことは、そこそこ使うってことだ。
こっちでも妙な探り合いがおっ始まった。
「とりあえず、下っ端でつないどこう」
ってことで、既に何人かがやられちまってる。
「ザクさんヨォあんまり時間ねぇんじゃねぇの?」
そういう大男は『フェローチェ』班班長のアラン・レ・バンナだ。
ニヤニヤしながら指をボキボキやっている。
「しかし、我々が出向くというのも。。。」
小柄で寡黙な男は『炬火』班班長のロン。
「とりあえず先に、希望者の確認しましょうか?」
いつもの微笑のまま『玄武』班班長の天道が仕切る。
こういうときいつも天道は一歩引いているから自然と仕切り役になっちまう。
「では、次に榊さんと立ち会いたい人、挙手お願いします」
ハイハイといい大人が手を挙げてるのは可笑しな風景だが、皆真剣だ。
「1,2,3,4,5・・・8人ですね。じゃジャンケンってことでどうでしょう?」
天道が言うと手を挙げた奴等が集まってくる。
「いきますよーじゃーんけーんポン」
グーとパーが半々くらい・・・っと、あきらかに遅れてパーが一つ。
だめですよ!っと天道が言いかけて固まった。
「なにやっとるんだ、バカモンが!」
上泉さんであった。
こりゃヤバイって雰囲気が光より早く俺達に浸透する。
「詳しいことは解からないが、あんまりみっともいいもんじゃありませんね」
お帰りは2、3日先だって聞いてたが、なにかの都合で早まったんだろう。
「私がお相手してきましょう」
そう言って白銀の『歩ヒョウ』=『カン』を立たせた。
「では」
飛行ユニットを取り払った姿は戦場へ向かう白銀の武士ってとこだ。
「やりすぎでしたかね?」
隣の天道が小声で聞いてきた。
その向こうではアラン・レ・バンナがデカイ声で不平を捲し立てている。
「そんなことねーだろ?」
上泉さん、あんなに楽しそうだったじゃねぇか。



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