星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶−

星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶− 第2巻



結の結章 裏(小桜2)

カラカラ
と開き始めたのは榊の『歩ヒョウ』の腹部だ。
いい判断だ。
って、なんだこの『歩ヒョウ』?
気にしてる場合じゃないな、乗り出した体を引き顔を見せた榊に伝えなきゃならない。
「急ぎの用件だ、黙って聞け」
「俺は小桜ってケチな野郎だ、うちのバカ野郎が迷惑かけちまってすまねぇ」
榊は黙って聞いている。
「ハル君は無事だ、この病院に預かってもらってる」
俺はさっきプリントアウトしておいた画像を取り出して投げた。
「裏に住所と電話番号を書いといた」
榊はそうかいとだけ返す。
「用件はそんだけだ、で、逃げるならフォローするし、暴れてぇなら止めやしねぇ」
俺は腹部を纏いなおしながら、最後に、
「頑張んな、ニーチャン!」
そう言って、自分で吹っ飛んた。
そろそろ限界だ、とっととずらかって纏を解かなきゃな。
あー気持ちわりぃ。



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