星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶−

星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶− 第2巻



転の結章 裏(小桜2)

倒れていた男はハルという名前だった。
かなりダメージを受けているようだったが、ハルは自分よりサカキという奴のことを心配していた。
サカキサカキサカキ。。。榊!
道場破りの男だ。
イトーのゲス野郎!
俺は、このことを知らせようと兄貴の携帯を鳴らす。
「ツッツッツッッ 現在電波の届かないとっプチッ」
ぜってぇ殺す。
「とりあえず病院へいくよ」
上泉さんの知り合いの病院へ連絡を取るとベッドを空けて待っててくれるそうだ。
ありがたい。
緊急外来の入り口に車を着けるのと白衣の人が数人でてくるのは同時だった。
「先生、よろしくお願いします」
何度か見たことのある先生に託して車へ戻る。
いや、待てよ。
俺は、再びハルの方へ駆け戻り、
「一瞬すいません」
カメラデバイスでハルの画像を取り込んだ。
「先生、よろしくお願いします」
俺は再び、同じ言葉を吐くと車へ飛び乗った。



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