星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶−

星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶− 第2巻



転の承章 裏(子桜2)

「おっ、いやがったなザク2」
夜勤明けでウトウトしかけてる時に。。。
「いちゃぁ悪りぃか旧ザク」
ニヤニヤしながら近づいてくるのは、俺より何年か先に生まれたってだけの男だった。
「急ぎで内緒の話なんだがな」
旧ザクがそこまでいった時、
「まてっ」
俺は一旦黙らせた。
旧ザクは内緒話のできない体質。。。要は声がデカイんだ。
俺は周囲を見回してから、部屋の中へ旧ザクを入れてから、音楽を流した。
こんだけやりゃいいだろ。
「で、なんだ?」
旧ザクが軽く肩をすくめて話し出す。
「イトーのバカがちっと前に騒いでたの覚えてるか?ソバ屋でゴタゴタのあった件だ」
ああ、兄貴が行ってみたらなんでもなかったって話だな。
俺がうなずくと、兄貴は続けた。
「あれが続いてて、ソバ屋にいた榊って兄ちゃんが今、道場破りに来てるんだが。。。」
こりゃ穏やかじゃねぇな。。。
「どうもイトーのバカの動きが怪しいんだ、ちっと調べてくれねぇか?」
イマイチ要領を得ない説明だが、そりゃいつものことだ。
「わかった、調べてみるわ」
面倒なこったが、ほっとく訳にもいくまい。
困ったことに旧ザクのこういう勘はよく当たる。



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