星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶−

星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶− 第2巻



締の起章

正しい剣の扱い方は知らない。
ま、拳や蹴りも我流だが。。。
ダン
っと踏込んで、大上段から長剣を振り下ろす。
力任せと言われればそれまでだが、俺にとっての渾身の一撃であることに間違いは無い。
がちん!
火花を散らしつつ白銀の『歩ヒョウ』はドコから取り出したものか、優美な曲線を描く長剣でこれを受け止めていた。
(。。。だよな)
だいたい予想はついていたものの、少々凹む。
ガチンガチン
2回叩きつけると長剣は手元でヘシ折れた。
ごっ
っと沈めた頭の上を通りすぎたのは白銀の『歩ヒョウ』の一刀。
(っぶねぇな)
そのまま組み付いて。。。
っと思ったら見事にタックルを切られちまった。
食えねぇオッサンだな。
とか言ってると、上泉さんの長剣が落っこちてくる。
ごっ
地面を転がりながら辛うじて避ける。
ごっごっごっ
もぐら叩きじゃあるまいし。。。
転がりながら加速すると一気に距離をあけるべく跳ねた。
背中に上泉さんの殺気を感じてムズムズしやがる。
15メートルほども離れただろうか。
再び対峙した俺と上泉さん。
白銀の『歩ヒョウ』は当然のようにそこにいた。



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