星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶−

星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶− 第2巻



続の転章

上泉葡鵬(こういずみぶほう)。
惑星鉱物学者にして『歩ヒョウ』・『ヒョウ術』・『ヒョウ師』の始祖。
白銀の『歩ヒョウ』=『カン』は万能にして最強。
これが、俺の集めた情報だ。
いいねぇ。
面白れぇ。
一番強えぇ奴をブッ飛ばしゃ、自分の力がどの程度か分かるってもんだ。
「榊 藤十郎と申します」
俺も腹部の纏いを解いていた。
「立ち会いいただき感謝いたします」
これまでのヤヤコシイことは、すっ飛ばす。
いまこの時点では、正直どうでもいいことだ。
上泉さんは「うむ」とかなんとか言って、腹部の纏いを元に戻した。
(こいつはすげぇ)
なんだかデカい。
それは、雄大な山、大渓谷や巨大な瀧、自然の絶景に出会ったときに近い衝撃だ。
そこに巨大なモノが存在するというただそれだけの主張が見るものを威圧する。
上泉さんの『歩ヒョウ』は、そういうモノに近い感じがした。
(っと危ねぇ)
無意識に手近な得物に手を伸ばそうとしている自分に気付く。
(まずは、ブン殴り合いからだ)
どんっと地を蹴り距離を一気に詰める。
全ての『歩ヒョウ』の頂点、その実力や如何に?



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