星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶−

星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶− 第2巻



続の起章

踏み出す一歩は重く、自信に溢れていた。
へへん
俺は首をゴキリと鳴らして、ふっと一息ついた。
(ぶん殴らせてもらうぜ、イトーさんよ!)
俺の変化を目ざとく察知したのか、イトーの黒い『歩ヒョウ』は手近な長剣を引き抜いていた。
なかなかいい構えじゃねぇか!
どんっ
っと踏込む。
ぶんっ
っとイトーが長剣を振り下ろす。
動きが硬てぇよ、緊張してんのかオイ!
まったりと左へ避けつつ更に踏込んだ。
(てめぇにゃこれで十分だ)
上体を振りながら足元の岩を抱え上げる。
イトーは長剣を振り下ろした姿勢で、こっちを振り返った。
「じゃーな!」
がつんと岩を叩きつけて、ジ・エンド。
さぁ次だ次。
「文句があるならかかってこいよ」



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