星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶−

星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶− 第2巻



転の承章

「百人組み手?」
俺はニヤニヤしている小桜のオヤジと、ニタニタしているイトーのバカに言った。
「そそ、榊くんも存分にやりてぇだろうからな、こういう趣向にさせてもらったんだ」
そこは、だだっ広い荒地だった。
周囲を20メートル程の崖に囲まれており、その上には人影が見えた。
様々な形の「歩ヒョウ」たち。。。
確かに準備はできているようだ。
「獲物はどれをつかってくれても構わない」
荒地のあちこにバラ撒かれているのは、歩ヒョウ用のバカでかい刀剣の類であった。
「こっちも好きにさせてもらうことにするが、異存はないよな?」
ここまで来た以上、まな板の上の鯉だ。
俺がうなずくと小桜は続けた。
「一人一人かかってゆく、どっちかが降参するまで闘いは継続する」
小桜が真剣な顔つきになっていく。。。
「俺の順番がくるまで倒れんなよ榊!」
じゃあなと背を向ける小桜が少しいってから振り返る。
「っと言い忘れてたが、最初の相手はイトーだ」
「けっこう使うから気を付けろよ」
カカカと笑う、小桜。
「どっちの見方っすかザクさん」
ニヤニヤ笑う、イトー。
「最悪じゃねぇか」



次章:転の転章


(c)General Works