星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶−
承の起章
俺は一応、小桜と名乗る男に泊まっているホテルを告げソバ屋を出た。
この男なら大丈夫そうだ。そんな気がしたからだ。
しかし。。。
ややこしい話が、ますますややこしくなってきやがった。
とりあえず考えようってことで、落ち着けるところを探していると。。。
「先ほどはどうも」
不意に声をかけられた。
ソバ屋で一緒だった兄ちゃんである。
「おぅ」
っと言っちまったが、なにが「おぅ」なのか特に意味はない。
「さっきはテンパッちゃってて。。。お怪我はありませんでしたか?」
俺のことを心配する前に自分のことを心配したほうがいいぞ青年よ。
「いや、大丈夫だ」
これ以上、この兄ちゃんにかかわらないほうがいいって心のどこかで警告音が鳴ってたが、口からは違う言葉が出た。
「ところで、上泉さんのとこのこと教えちゃくれないかい?」
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