星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶−

星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶− 第1巻



結の承章

ぎちぎちっ
腕の関節が鳴っている。
ぎぎちっ
「まだまだ」
土木作業用のビルドアームとパワー対決を仕掛けるなんざ大馬鹿野郎のするこった。
しかし、おれはこの『歩ヒョウ』の実力をどこかで信じていたのかもしれない。
ぎちちっ
その、外見だけでない。。。
みちみちっ
桁外れの。。。
ぶちがりばちぎちゃ
強さを。。。
ぎしゃぁん
左腕を肩から捻じ切られたビルドアームは白煙を吐きつつ、その場にひざまづいた。
じゃっ
右手のビルドアームの腕を振り払いつつ、右足を跳ね上げる。
ぎじゃっ
太い頭部にめり込んだのは、右の前蹴りだ。
そのまま踏みつけるようにビルドアームが倒れるままにその上に乗った。
さて。。。どうするかな。
何かの気配に振り返ると後方で、ナオが両手を振って何かを伝えようとしていた。
もちろん、横の小さい女も同じように両手を振っている。
やっぱり楽しそうだった。



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