星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶−

星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶− 第1巻



転の転章

「なんだコリャ!」
足元のゴーチェがあんぐりと口をあけている。
同じ立場なら俺もそう言ってたに違いない。
眼前の碧い巨人は三つの目と肩まである長髪を持ち、背中には「白蓮」を背負っている。
確かになんじゃコリャな光景だ。
「『歩ヒョウ』?」
「ドコのドイつだ、『ヒョウ局』なんかに連絡しやがったのわぁ!」
『ヒョウ局』ってのは、依頼を受けて『歩ヒョウ』を派遣する組合みたいなもんだ。
当然の事ながら今回は、まったく関係ない。
俺は足元のゴーチェへと視線を移した。
「ひいぃぃぃぃ」
目が三つもあると相当睨みが利くらしい、絶叫マシンに乗った女のような悲鳴をあげてゴーチェが尻餅をつく。
俺の動作に反応したのか、単に動き出しが遅いだけなのか、ようやく眼前のビルド.アームが動き出す。
ガコン
相手は2台。
地元の優良建設業者だけのことはある、あまり詳しい方じゃないが、最新式であろうピカピカのビルド.アームだった。
(さてさて、どうしましょうかねぇ)



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