星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶−
起の結章
7、8人の人影は8人の男と2人の女であることが判明していた。
一様に若い。
10代後半から20代前半ってとこだろう。
緑の男がどこまでできるのか、その素性もよく分からない。
「よぉ」
緑の男が軽く右手を上げる。
「ナオさん、大丈夫ッスか?」
先頭のスカジャン男が俺に不信な視線を注ぎつつ回り込んで『ナオさん』に近づいた。
(なんだ味方か)
どっちにしても巻きこまれるのは面倒だ。
スカジャンと『ナオさん』が何やら話しているうちに俺は、じゃあなとその場を後にした。
これでこの件とは切れたと思っていた自分がつくづくオメデタイ奴だったと気付くのは、
それから19時間後だった。
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