星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶−

星乱拳客伝 外伝 −鋼の記憶− 第1巻



起の承章

1・2・3・4
4人のチンピラの内訳は、ハリキリボーイ=1、中堅=3ってことだった。
逃がすんじゃねぇぞと、ハリキリボーイが3人に言うとふんぞり返りながらこっちへやってきた。
(めんどくせーな)
「ゴーチェ様にシカトかますなんざ、いい度胸してんじゃねぇか あァ?」
どうらら地元の怖い人らしい。
いままで怖い人はたくさん見てきたから、ハリキリボーイが単なるイキガリボーイであることは良く分かる。
「ゴーチェさん、面倒は困りますぜ」
仲間の言葉に、うるせぇなとかえす姿はニートのガキ以下だ。
地元の有力者のボンボンってとこだろう。
「で、俺たちになんか文句でもあんのかい?」
(あ?)
因縁つけてきたのはそっちだろうが。。。
「ゴーチェ様に楯突くと、どーなるか教えてやるよ にへへ」
(あーん 向こうの男を脅す為の材料にしようって腹かい)
「ガストン、クレマン、やっちまえ」
自分は2,3歩下がって手下を呼び出した。
最悪だなこいつ。
「殺すなよ」
ゴーチェの言葉に背中を押され申し訳なさそうにでてきた男が、ぼそっと何か言う。
「2、3発軽く当てるから、その後走って逃げな」
男が大きく振りかぶった右拳。
その拳を振り下ろす時、
「わりぃな」「わりぃな」
俺と男は異口同音だった。



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