星乱拳客伝 外伝 天道幻夢団

星乱拳客伝 外伝 天道幻夢団 虹色の巻



第10章

現れた警備員は、なかなかよく訓練されていた。
あらかじめ現場の下調べをしていなければ危なかったかもしれない。
赤い男=ゼファーは背中で風を感じながら思った。
背中から後ろ向きに落下しているせいで、屋上の警備員のライトの動きが見える。
数条の光線があわただしく動きながら、落下地点へと向かっていた。
(そろそろか。。。)
物理法則に従って頭が下になったときゼファーは目を閉じた。
(おいで『虹姫(ニジヒメ)』)
と、地上に伏せておいた何かが落下中のゼファーへ向かってすっとんでゆく。
屋上では数条のライトが仮面の男を求めてビルの下方を照らし初めていた。
カラカラカラカラ
それは小さな音であった。
カラカラカラカラ
それは。。。甲冑。。。
数条の光が一瞬闇の中に異なった色を浮かばせる。
今のは?なに?
瞳を凝らしてみてもそこには闇があるのみであった。



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