星乱拳客伝 外伝 天道幻夢団

星乱拳客伝 外伝 天道幻夢団 虹色の巻



第7章

深夜。
セイラは今日も父とテレビを見ていた。
問題は父と二人してソファーで眠ってしまっていたことである。
(やばっ)
テレビではスポーツの試合結果を次々と紹介していた。
(そーっとね)
ソファーがきしまないようにゆっくりと床に降り立つ。
(そーっとそーっと)
今度は音をたてないようにそっとドアを開ける。
ゆっくりと廊下にでたセイラは少し考えてから扉を少し開けておくことにした。
扉がガチャリと閉まる音を警戒してのことである。
(べつにいいよね?)
スリッパを両手に持ち廊下を進むと、素足がヒンヤリと心地よかった。
ぺたぺたぺたぺた・・・
っと不意に明るくなった窓の外。
その光源を求めて視線を向けると数ブロック先のビルの屋上に巨大な仮面が浮かんでいた。
(赤いおにーちゃん・・・)
以前見たものとは違う仮面ではあったが、セイラは確信していた。
(なにしてるんだろ?)
夜空に浮かぶ奇妙な仮面が消えた後も、その場に立ち尽くすセイラであった。



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