星乱拳客伝 外伝 天道幻夢団

星乱拳客伝 外伝 天道幻夢団 虹色の巻



第2章

午後8時すぎ。
夕飯を終え、セイラは両親とテレビをみていた。
大人の世界でいう『改編期』というやつで、いろんな『特番』がテレビ番組表を賑わしている。
今日、セイラの一家が選んだのは、6時間ぶっとうしの生クイズ特番である。
要するに改編後の新番組の番宣をクイズ番組にした代物で、半年に1回放送されている。
睡魔と母の『寝なさい』攻撃をかいくぐりつつ、番組を見ていたセイラ。
「あぁっ」
思わず上げてしまった声に父がどうした?と声をかける。
(赤いおにーちゃんだ!)
「ううん、なんでもないよ」
赤い男とのことを話せば、歩きながらゲームをしていたことも話さねばならない。
とっさの判断であった。
(ナイス判断!)
子供は純真でウソをつかないというオカタもいるようだが、子供ほどワガママでウソツキな動物はいない。
「こんなのがきてるんだねぇ」
父の関心はすでにサーカス団に移っている。
(赤いおにーちゃんだいじょうぶだったんだね)
セイラにはまだ、録画か生放送かの区別はなかったのであるが、この番組は生放送でありセイラの思いはマトを得たものであった。
「あっ」
今度は、父親が声をあげる番であった。
「どしたの?」
何気ない風を装うセイラに父は、
「このことだったのか。。。」
とソファーに置きっぱなしになっていたカバンから小さい紙切れを取り出した。
そこには『天道幻夢団 ご招待券』とあった。



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