星乱拳客伝 外伝 天道幻夢団

星乱拳客伝 外伝 天道幻夢団 藍色の巻



終章

事件の翌日。
マモルくんがテレビを見ていると、例の事件のニュースが放送されていた。

「昨晩、コロニー『バイオレット4』、Xブロックにある小学校脇の路上で、XX興行役員のカサバルト・ブルコフさんの乗った車が何者かに襲われました」
「関係者の証言によると・・・」

(『あの』ことだ・・・)

昨晩の事を思いだしながら、マモルくんはテレビに見入っていた。

「ホントに恐いわね」

そう言いながら、母親がやってきた。

「こんな事があるから、早く帰ってきなさいって言ってるのよ」

などと、ぶつぶつ言いながらマモルくんと自分のお茶を入れる。

「あらやだ、これって近くじゃない・・・あなた、大丈夫だったの」

ティーカップ片手に尋ねる母親。

「・・・ぼく、何もみてないよ」

こちらもティーカップ片手にマモルくんが答えた。

(約束だもんね)

少年の顔には、母親が見た事のない笑みが浮かんでいた。




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