星乱拳客伝 外伝 天道幻夢団

星乱拳客伝 外伝 天道幻夢団 藍色の巻



第16章

(やっつけちゃった・・・)

一部始終を見ていた・・・といっても途中まで気絶していたのであるが・・・マモルくんは、いまだ放心状態であった。

(やっぱり『歩ヒョウ』は、すごいや)
(カネダくんに教えてあげなきゃ)

明日、クラスメイトに話すストーリーを頭の中で組み立てるマモルくん。
ふと気付くと5メートルほど前方に藍色の『歩ヒョウ』が立っていた。
マモルくんの方を向いて・・・

(あっ)

その瞬間、少年の頭の中は真っ白なった。
気絶することさえも忘れた少年の目前に巨大な藍色の人型がゆっくりと腰を屈める。
先程の激闘が嘘のように、優雅とも言える静かな振る舞いで。
長剣は左手で持ち、背中に回してある。
そして・・・
彫像と化した少年の前に片膝をついた藍色の巨人は右手を振り上げたのだった。



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