星乱拳客伝 外伝 天道幻夢団
第6章
天道 渡(てんどう わたる)。
待ち合い室でマモルくんの父親と偶然一緒になったサーカス団『幻夢(ゲンム)』の団長である。
待ち合い室にいる少し変わった連中は皆『幻夢』の団員であるという。
待ち時間の長さは、この変わった連中にコロニー当局が疑いを持っていることの証であった。
「いつものことです」
そういう天道は平然としたものである。
実際、いつものことなのであろう。
「橋本さん(マモルくんの父親である)は、ウチの団員ではないのですから、係員の方に別の部屋へ変えてもらうように言ってみましょう」
立ちあがりかけた天道を静止したマモルくんの父親。
「ご迷惑でなければ、もう少しお話を聞かせてください」
そうして、話は続いた。
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