星乱拳客伝 外伝 天道幻夢団

星乱拳客伝 外伝 天道幻夢団 藍色の巻



第4章

例の映像の正体が判明したのは夕食の時であった。
母親がマモルくんに聞いたのである。

「あれ、何だかわかったの?」

それに対してマモルくんが夕方の会話を再現すると、父の相変わらずの暴走ぶりに母も相変わらず肩をすくめる。

「マモルの見せた映像。何だか知ってる?」

母親がマモルくんに言って聞かせているかのように父親に言った。

「あれか?あれはサーカス団の船のようなものらしい」
「なんでもコロニー内で公演できないときのために、あんなでっかいドームがくっついてるらしいぞ」

笑いながら、かつ、ご飯を食べながら器用に父親が説明した。

「じゃ、あれ船なんだね」

マモルくんが嬉しそうに言う。
自分の意見が間違いではなかったということが嬉しくてしかたがないのだろう。

「いや、正確に言うと違うらしい」

あなた、と父をたしなめる母。
マモルくんの嬉しそうな顔が曇ったからである。

「俺は船『らしい』と言ったはずだ」
「それに正確な情報を知っているのに間違いを信じさせておく訳にはいかない」
「俺が『港』の審査待ちをしている時に一緒になった男がその『船』に乗ってきた人でな、いろいろ話をしたんだよ」



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