星乱拳客伝 外伝 天道幻夢団

星乱拳客伝 外伝 天道幻夢団 藍色の巻



第3章

「帰ったぞ」

太い声がマモルくんの頭の上から降ってきた。

「おとうさん」

父親が帰ってきたのである。
いつのまにか眠っていたマモルくんは携帯端末の電源を入れ、件(くだん)の映像を父に見せた。

「ねぇ。これなんだか知ってる?」

端末を見せるマモルくん。

「なんだ、知ってたのかマモル」

残念そうに一枚のチラシを鞄から取り出す父。
そこには『天道幻夢座公演のご案内』の文字と怪しげなイラストが描かれていた。

「サーカスだぞ、マモル」

話が噛みあわないまま父親は話を進める。
いつもの事とマモルくんは既にあきらめていた。

「明日、学校が終わったら行くぞ」

すでに父の頭の中にはプランができあがっている。
これもいつものことだ。
それに今回は何だか面白そうだ。

「うん」

力強く肯くと大きな手がマモルくんの髪の毛をくしゃくしゃにした。



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