星乱拳客伝 外伝 天道幻夢団

星乱拳客伝 外伝 天道幻夢団 藍色の巻



第1章

コロニー『バイオレット4』。
島3号型コロニーである『バイオレット4』は巨大な円筒を回転させる事により、その内側に重力を発生させ人工の大地としている。
また、このタイプのコロニーには太陽光を取りいれるための巨大な3つの反射板があり、円筒の内側もまた3つの『大陸』に分割されていた。
その『大陸』から『大陸』へと移動する手段は、一定間隔おきに掛けられた橋を渡るか、円筒の外側を走っているサブウェイ・・・この場合地下鉄とは言いがたいが・・・に乗るかである。
午後三時すぎ。
下校途中の小学生がサブウェイの窓から外を眺めていた。

「ねぇマモルくん。あれなんだとおもう?」

まだ低学年であろう少年が仲間の少年に尋ねた。

「あれって?」

マモルくんは尋ねた少年よりも年長のようであった。
あれだよと少年の指差す方向に視線を飛ばしたマモルくん。

「ミーシャくん、あれのこと?」

マモルくんは少年・・・ミーシャくんと言うらしい・・・に確認すると、ミーシャくんはコクリと肯いた。
うーんと唸るマモルくん。

「たぶん・・・大きな船じゃないかな・・・」

マモルくんの答えに納得できない様子のミーシャくん。

「でも、あんな形の船なんてみたときないよ」

ほら、と携帯端末に船の図鑑を呼び出したミーシャくんはマモルくんに言った。

「まいったな・・・明日先生に聞いてみようよ。だれかカメラデバイス持ってない?」

別の仲間が手渡したカメラにはコロニーの港に係留された巨大な『亀』のようなものが映っていた。



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