星乱拳客伝 外伝 天道幻夢団

星乱拳客伝 外伝 天道幻夢団 藍色の巻



序 章

宇宙開発が始まった20世紀末。
いや、その遥か以前から人は星々が輝く天空を『海』に例えていた。
宇宙船(スターシップ)。
その言葉は宇宙という名の『海』を行く乗り物。
『車』でも『飛行機』でもない『船』なのである。
もしかすると未知なる広大な場所のことを人は『海』と呼ぶのかもしれない。
ならば・・・
宇宙という名の広大な『海』ならば、こんな生物がいても不思議ではあるまい。
それは『亀』のように見えた。
背中に巨大なクリスタルのドームを背負った恐ろしく巨大な海亀。
太古の中国の聖獣。
東を守る『青龍』、西を守る『白虎』、南を守る『朱雀』、北を守る『玄武』。
その北の守護神である『玄武(ゲンブ)』もまた亀だったという。
遥かな時を超えて、太古の神獣が現れたのであろうか。
その行き先は・・・



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