星乱拳客伝 外伝 三つ目 廻国編
六の巻
第4章
「茜、動くなよ!」
蘭丸は両手を上げたザクを横目で確認すると後部座席の茜に向けて警告を発する。
「なんでさぁ〜」
いまにも暴れだしそうなアフロを「いいから大人しくしてろ!」と一喝しザクと同じように両手を挙げた。
がちゃがちゃっ
謎の一団が車のドアを開けようとしている。
「ロック外しますよ」
ザクがゆっくりと手を下ろしながら言うのに「ああ」と短く返しドアのロックが外れるのを待った。
ガコッ
ロックが外れるのを確認しながら、後部座席の茜に「いいな、暴れるんじゃないぞ!」と釘を挿す。
がちゃり
ゆっくりとドアが開けられると、
「ご同行願えますか」
感情のない鉄のような声であった。
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