星乱拳客伝 外伝 三つ目 廻国編

星乱拳客伝 外伝 三つ目 廻国編

六の巻


第3章


竹林の中の道を進む一台の車。
蘭丸、小桜、茜の3人はコロニー「タカオ」にある朽葉氏の家へと向かっていた。

「双葉ちゃん家まで、あとどれくらい?」

後部座席の茜が問うと、

「もうそろそろかな。。。止めてくれ」

竹林の向こうに白い壁が見え始めたところで蘭丸は車を止めさせた。

「朽葉さんにはまだ連絡がつかないか?」

ちょっと待ってくださいねと車を止めたザクは携帯端末を取り出す。

「やっぱ出ませんね」

そうか、という言葉を溜息と共に吐き出すと蘭丸は腕を組む。

「双葉ちゃんのほうも相変わらずです」

小桜は携帯端末をしまいこみながら、どうします?という視線を蘭丸へ向けた。

「うっし。。。俺とザクで様子を見に行こう。茜はここで待っててくれ」

蘭丸の言葉に後部座席のアフロが暴れだしたその時、車の前方が不意に翳った。

「ん?」

前方に突如として現れた大きめの黒いバン。

「逃げろ!」

蘭丸が叫んだ時、既に車は後ろへ向かって急発進していた。

ドン

1メートルも進まないうちに何かにぶつかる。
振り返ると、前と同型のバンが止まっていた。

ちっ

軽く舌打ちしつつ車のドアに手をかけたその時、前後のバンから人があふれ出してきた。
それは訓練された者達の動きであった。



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