星乱拳客伝 外伝 三つ目 廻国編

星乱拳客伝 外伝 三つ目 廻国編

六の巻


第2章


「どう?」

心配そうに尋ねるのは茜であった。

「情報を集めてみたんだけど、朽葉さんにも連絡つかないんですよね」

小桜(ザク)が端末から天井へ視線を向け腕を組みながら言った。
双葉が消えた翌日。
船内の調査はもちろん、双葉が消えたと思われる時間帯のコロニー「カンダ」に設置された監視カメラの映像など集められる情報は全て集めてみたものの、やはり。。。

「双葉は見つからないか。。。」

蘭丸の呟きに一同は無言の肯定で答えた。

「しかし、朽葉さんと連絡が取れないってのも気になる」
「どうせ、これ以上動けなくなっちまったんだ、朽葉さんに連絡を取りつつ双葉を捜索しよう」

蘭丸の提案を手を上げて静止たのは局長であった。

「ちょっといいかな?私たちはここを離れてコロニー『ニシオギ』に戻らねばならないんだ」

一瞬、微妙な雰囲気になったが局長の申し訳なさそうな顔に一同はそのまま押し黙った。

「とりあえず船を戻さにゃならんし、事後処理ってのもあるんでな、俺と局長は先に戻ってる」

ハンスが『わかるよな?』という顔で言った。



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