星乱拳客伝 外伝 三つ目 廻国編

星乱拳客伝 外伝 三つ目 廻国編

六の巻


序章


『彼』或いは『彼女』は何度目かの目覚めを感じていた。

眠りすぎたか。。。

前回の目覚めから、地球の時間にして500年ほど。
『彼』或いは『彼女』は違和感を感じていた。
前回の目覚めの時に感じた熱気に満ちた未熟な文明は消え失せている。

滅び去ったか。。。

『彼』或いは『彼女』は自嘲気味に小さな落胆を吐き出すと感覚を更に広範囲に拡散させた。

ん?

『彼』或いは『彼女』は文明の名残を見つけ出していた。

遺跡。。。か?

その無人の施設はまだ『生きている』ようであった。
微弱な信号を宇宙空間へ向けて放ち続けている。

『彼』或いは『彼女』は、その微弱な信号の意味するところを知ろうと動き始めた。
地中深くから、地表へと。


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