星乱拳客伝 外伝 三つ目 廻国編
五の巻
第6章
「巧いもんじゃねぇか」
蘭丸は『歩ヒョウ』=『鈴音』に収まったまま笑った。
自分なら、ああは行くまい。
漠然としたイメージが脳裏に浮かぶ。
「『特機』には向き不向きがあるのよね」
双葉の言葉が蘇っていた。
「アタシは向いてないのよ」
彼女の言い分に自分も向いていないような気がしていた蘭丸。
上下左右、そして左右のロール動作を最初は『特機』にしがみ付くように行っていた茜のゴリポンであったが、もうかなり様になってきている。
これも才能という奴であろう。
と、その時。。。茜の動きが乱れた。
「あっ ガス欠だ!」
足下でザク(小桜)が叫んでいた。
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