星乱拳客伝 外伝 三つ目 廻国編
五の巻
第3章
「なんかあった?」
古いタンスやら引き出し、その横には鹿の角が浮かんでいる。
「ない。。。ってか、手がかりって言っても具体的に『これ』って指示はないからね。。。」
小桜(ザク)と茜は物置の中に浮かぶ雑多なものと格闘していた。
「上の方は、どんな感じですか?」
ザクの問いに、
「いろいろ浮かんでるけど、わかんねぇな〜」
二階から蘭丸の声が聞こえる。
「ここで悩んでても時間の無駄だぜ」
二階から顔をのぞかせた蘭丸が青いギターを手にしていたザクに言う。
「そうだよ、局長か双葉ちゃんに見てもらわないとわかんないね」
巨大なクマのヌイグルミを見つけた茜が同意すると、ザクは腰にぶら下げた携帯端末を手にした。
「ハンスさん?ザクです」
船に連絡しているようだった。
「カーゴだせます?そそ、デカイほうのやつです」
「こっちじゃ判断つかないんで、全部もって帰ろうかと思って」
「。。。はい、んじゃお願いしますね」
ザクは通信を終えると、
「ってことで、全部持って帰ることにしましたんで」
と宣言した。
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