星乱拳客伝 外伝 三つ目 廻国編

星乱拳客伝 外伝 三つ目 廻国編

五の巻


第1章


「いたいた。双葉!」

カーゴルームで『道具箱』の整理をしていた双葉のもとを訪れたのは蘭丸であった。

「次から次へと。。。もぅ〜なに?」

メガネの美女は巨大な『歩ヒョウ』=『ディアブロ』の腹部を開き『道具箱』から取り出したのであろう、巨大な棒や刺股(サスマタ)、長剣などを並べていた。

「危ないから、ちょっと下がっ。。。」
(って言い終わる前に、もぅ)

めちゃめちゃ作業の途中で手を止めた双葉は、するすると『ディアブロ』を降りると蘭丸の目の前に立った。

「で、なに?」

双葉は一度腕を組んでから、メガネを上げて蘭丸を見た。

「っと。。。なんか『歩ヒョウ』で宇宙を飛ぶっていうか、移動するっていうか。。。」
「前の戦いで思ったんだけど、オレ達さ。。。」

蘭丸の言葉をそこまで聞いた時、双葉は「あ〜はいはい」という顔をして、

「一足(ひとあし)遅かったわね。特機なら2、3分前に茜ちゃんが持っていったわよ」

考えることは皆同じ。
蘭丸が双葉のもとを訪れる直前、茜が特機を持ち去っていたのである。

「特機はあれ一つしかないから、どっちが使うか話し合って決めれば?」
「今頃は、推進装置を探してザクかハンスさんのトコにいるかもよ」

蘭丸の脳裏に茜の顔が浮かんだが、その顔は『イ〜だッ!』の顔をしている。

「あ。。。そっか。。。茜がね。。。」

明らかに落胆した様子の蘭丸は『道具箱』から取り出された武器を見回して、

「他に、なんかないか?」

そう言った。



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