星乱拳客伝 外伝 三つ目 廻国編

星乱拳客伝 外伝 三つ目 廻国編

四の巻


終章


クライアントからもたらされたのは、コロニー『カンダ』の情報であった。
通信技術の発達は同時にハッキング技術の発達でもあった。
結果として、この時代でも第三者に知られたくない情報は直接手渡すという昔ながらの手段を使っている。
今回の場合、情報の内容というよりクライアントとのつながりを知られたくないのであろう。

「で、何て言ってきたんです?」

小桜の問いは梅田局長に向けられていた。

「コロニー公社の裏情報ってことで、まだ一般には公開されてないんだが、コロニー『カンダ』の解体が一週間ほど早まるらしい」

コロニー『カンダ』とは一同が向かっているコロニーである。
目的は『古文書』が発見された場所。。。とある、お屋敷の物置らしい。。。で手がかりを探すことである。

「一週間とは。。。住民の転居は済んでるんですか?」

小桜の問いはもっともであったが、

「ってかよ、もう時間的に余裕ねーんじゃねの?」

ハンスがいきつけの酒屋でもらってきた意外と見やすいカレンダーを振りかえって言う。
あっ、という顔をした面々がカレンダーと時計を往復する。
今日がコロニー解体の、その日であった。






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